2017年12月27日水曜日

「エコの環」野菜のブランド化

 私たちは高齢者事業として、新鮮な生ごみをゼオライトを使って発酵させ、それで野菜を作って販売する「エコの環」を回しています。

 7~8年前、最初は生ごみで野菜ができたらよいくらいの気持ちで、発酵肥料のみによる野菜の栽培を始めたのですが、食べてみると案外とおいしい、花を育てると花の色がすごく美しいことが分かり、これなら生ごみの循環システムが作れるのではないかと考えたのが、「エコの環」のそもそもの出発点でした。

 その後、いろいろな野菜の栽培を手掛けるなか、一線を退いた高齢者がすることはまずほとんどが「畑仕事」。しかし現実は育てた野菜を食べきれず、持て余して捨てたりしていることをアチコチで知り、畑仕事を高齢者事業にすれば高齢者に生きがいを与え、超高齢社会に苦しむ日本経済にも何がしかの力になるのではないかと、今の事業を始めました。

 そして生ごみ発酵肥料を数人の高齢者に使ってもらい、出来た野菜をスーパーの野菜と食べ比べしたり、実際に販売してお客さんの声を聞いたりしていると、「スーパーのとは何か違う」、「絶対においしい」と、その味に自信が持てるようになってきました。

 最初はその理由に、生ごみには栄養がギッシリ詰まっているからと考えていました。実際、それも事実なのですが、いまはむしろ発酵材として使用しているゼオライトの影響が大きいのではないかと考えています。

 ゼオライトは非常に不思議な土で、陽イオン交換能、吸着能、触媒活性能などといった優れた性質を持ち、、非常に多くの分野で利用されていますが、その他に土壌微生物が生息しやすいという性質を持っています。
 だからゼオライトで生ごみを発酵させると、土壌微生物がいっぱいの優れた肥料に変わり、これを畑に入れると、畑の土が黒くてふわふわで、温かみのある生きた土に変わっていくのです。この生きた土こそが「エコの環」野菜の美味しさの秘密と考えられるのです。

 
 ところでいま私たちはこの「エコの環」事業の自立に向け、必死にもがいています。自立には年間140万円ほどの売り上げが必要なのに対し、いまはまだ100万円弱の力しかないからです。

 販売を伸ばすにはもっと「エコの環」野菜の良さを知ってもらう必要がある、「エコの環」野菜のブランド化が必要と話し合ってはいても、なかなかよいチエがなく苦慮していましたが、そんなときすゞ菜の女将の娘さん、須田志帆子さんとその神戸のお友達たえこさんが、「エコの環」野菜のロゴマークを考えてくれました。早速、野菜生産者の会議に諮り、図案の一つを採択してもらいましたが、これからはこのロゴマークをシールやカード、あるいは封筒などに用いて、「エコの環」野菜の知名度アップとブランド化を進めていきたいと考えています。


 今年も残すところあと数日となってしまいました。どうかよいお年をお迎えください。


2017年12月12日火曜日

食用油について

 先月の19日に食用油についての料理教室(ちーたび)を実施しました。会場は吉津地区公民館を予定していましたが、府会議員選挙とぶつかり、場所を「すゞ菜」に変更して実施しました。参加者は定員の8名でした。

 まず最初に生ごみ処理機(たいぞう君)と畑の見学に出かけました。参加者には生ごみのたい肥化に関心のある人が多く、とても熱心に話を聞いて頂きました。

 見学から帰って、まずゲストの青木伸代さん(丹後アレルギーを考える会代表)から、食用油についてのお話をして頂きました。青木さんはアレルギー疾患がまだあまり知られていなかった頃、子供さんがひどいアレルギー症で、まったく対処法が分からないなか、アレルギー問題に取り組んでこられました。そして30年間の取組みの中から、アレルギーは単に食べ物だけの問題でなく、農薬とか添加物(化学物質)、大気汚染、電磁波といった現代生活のありとあらゆるものに過敏に反応する症状で、衣食住すべてにおいて現代文明への警告ではないかと話されました。

 そして日本には昔は「ハレの日」(特別な日)と「ケの日」(日常の日)とがあり、食用油は「ハレの日」にしか食べなかった。しかしいまは毎日が「ハレの日」になり、また食事が和食型から洋食型に変わり、油の摂取量はむかし(昭和40年頃以前)の3倍以上になった。

 食用油には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、また後者にはオメガ6系、オメガ9系、オメガ3系とがある。これらの中で飽和脂肪酸(バター、ラードなど)は脂肪として体内に蓄積されやすく、減らした方がよい。オメガ6系(コーン油、マーガリン、大豆油など)は加工食品などから過剰に摂取しやすく、またさまざまな病気の引き金になるので減らした方がよい。オメガ9系(オリーブ油、菜種油、ひまわり油など)は酸化しにくく、生活習慣病予防になるので、摂り過ぎはよくないが日常的に使うのが良い。オメガ3系(魚の油、亜麻仁油、えごま油など)は健康的によく、加熱しない方法で積極的に摂るのが良いと話されました。

 この後すゞ菜の女将小西さんから、油を控えた料理としてコロッケの調理指導がありました。里いもに乾燥エビ、味付けのりを加えてまるめ、それを揚げるのでなく油で焼くだけのものでした。コロッケ、おにぎりは各自が自分のものをまるめて作りましたが、これまでおにぎりを作ったことのない私には、熱いご飯を握るのが難しく、フニャフニャのおにぎりになってしまいました。料理はこの他に里いもにゆず味噌を和えたもの、豆乳味噌汁などが作られました。

 会食では一斉に「おいしーい」という声が上がりました。3歳の男の子を連れてきたあるお母さんは、「普段は里いもはまったく食べないのに、今日は食べてくれた」と驚いておられました。小西さんによると「子供の舌は正直」なのです。

 交流会では、油を使わない和食はダシが基本であり、小西さんのダシ取りの話に関心が集まりました。小西さんはダシ取りの話に加え、「いまは一汁三菜から農薬、添加物を除去しようとしても、正直言って困難である。しかし一汁ならできる。一汁をしっかり作って食べてほしい。」と話しておられました。また、青木さんは「油にしろ添加物にしろ、あれはダメ、これもダメと排除すると食べるものが無くなる。しかし安全なものを知り、あれを食べてみよう、これを食べてみようとチャレンジすれば、食べるものはいっぱい増えてくる」と話されました。

 参加者から「食用油にも摂った方がよい油のあることを知り、また工夫次第で油の量を減らせることを知り、非常に勉強になった」という声を聞き、とても充実した雰囲気の中、ちーたびを終えることが出来ました。