2018年9月9日日曜日

「エコの環」野菜の販売

 私たちは高齢者事業として、生ごみ発酵肥料を使って無農薬の「エコの環」野菜を栽培していますが、よく「どこで売っているの?」と聞かれます。当然の質問ですが、答えるのに窮する質問でもあります。

 私たちも当初はある自然食品店、そしてある酒店、飲食店の店先で野菜を売っていました。自然食品店の方は少ないながらも着実に売れ、また、味などについていろいろな意見を聞くことができ、「エコの環」野菜に自信を持つきっかけになりました。しかし他の2店舗についてはなかなか売れず、売るためには品揃えも大切なことを学びました。半年近くそうしたことを行っていましたが、ある日突然、自然食品店が店を閉じられることになり、それを機に私たちも野菜の販売を週1回のお任せ宅配に切り替え、店頭販売を止めてしまいました。野菜の生産量がまだ少なく、自然食品店で知った数名のお客さんに届ければ事足りたからです。

 その後はアルバイトにより発酵肥料の生産量を増やし、同時に野菜生産者も増やして野菜販売額を年90万円ほどに増やしてきましたが、ここに来て販売額に足踏み状態が続くようになり、経済的自立が難しくなってきました。原因としてはいろいろあります。病気、その他の理由で野菜生産者が減り、その補充が上手くいっていないこと、ここ最近の異常気象により野菜が上手く育たないこと、シカ・イノシシ・ハクビシンなどの獣害が深刻なこと、一方で都会に比べ無農薬野菜の価値がなかなか認めてもらえず、新規購買者を見つけることが難しいことなどがあります。
 その他に私たちの週1回の出荷作業への慣れ、安住のようなものもあります。週に1回、その時に生産できたものを出荷・宅配するだけで、その時に余ったもの、他の時の収穫物については、販売するということを全く考えずにやっていました。というか品揃えが悪く、人手もないことから考え及ばなかったといえます。

 そんな時、すゞ菜の女将から「店に置いたら売ってあげるよ」と声がかかりました。一方、老人ホーム「なぎさ苑」には毎日厨房屑を回収に行っていますが、そんなことからこれまで何度か野菜を買ってくれるよう頼んでいました。しかしサイズや量的問題があってなかなか話が進展しないでいましたが、ある時「従業員の帰宅時間に合わせ、従業員用通路に野菜を置かれたらどうですか」と苑の方から話がありました。どちらも野菜の持ち込みと回収さえすればよく、また品揃えをあまり考える必要もないことから、すゞ菜には5月ころから、なぎさ苑には7月ごろから週に2回野菜を置かせてもらうようにしました。お蔭で月に1~2万円の販売額増が見込めるようになり、とても助かっています。

 これを足掛かりに、今後もっと直売所を増やしていきたいと考えています。

従業員への販売
なぎさ苑まつりでの販売