2013年4月30日火曜日

便秘(つづき)

何らかの原因で食べた物がうまく消化されないと、食べ物は腸内で腐敗し、硫化水素や硫酸塩、有機酸塩など悪臭を放つ強酸性物質が産生され、腸内は強く酸性化するそうです(酸性腐敗便)。特に大腸が強い酸性状態(pH;2.5~5.5)になると、タンパク質が分解したアミノ酸類は腸内の悪玉菌によって強毒の「アミン」に変身し、激烈な血管収縮やけいれん作用(循環器系の発作)を引き起こし、また、各種組織に傷害作用を及ぼして多くの現代病の原因になると云うから怖いです。つまり消化不良が高じて大量のタンパク性アミン類が産生され、それが急激に体内に吸収されると心臓発作や脳卒中など急性症状を引き起こし、軽度の消化不良によりタンパク性アミン類の産生が少量で、それが各種組織にジワジワと障害を及ぼす場合は、ガンなど生活習慣病につながるのだそうです。心臓発作や脳卒中は、トイレ中やトイレへ行こうと立ち上がった時に起きやすいと云いますが、私も会社勤務時代、便秘/下痢の繰り返しに悩まされ2~3度意識を失ったことがあります。いまにして思えば当時はオナラも便も酸性腐敗臭がきつく、強毒タンパク性アミン類の大量の産生・吸収によるものだったと考えられます。
前回、長生きするには「肉は食べるな」か、「肉を食べろ」かの書籍対決に触れましたが、タンパク質は生命維持に最も深くかかわる重要な栄養源である反面、強毒のタンパク性アミン類の原料であり、繊維質がないため腸に停滞しやすく腐りやすいので、その過剰摂取にはやはり問題があると云えます。いまは食の欧米化が進み、日本人のタンパク質摂取量は成人男子の基準量が1日60g、女子が50gとされるなか、平均80g摂取していると云いますから注意が必要といえます。
いずれにしても健康管理には腸内環境を整え、規則正しい排便に心がけることが非常に大切であり、「5 a Day」運動の重要性を改めて感じます。

横田貴史;慢性諸病の元は「酸性腐敗便」

2013年4月19日金曜日

便秘

 上から下へ向かって
1日目、4日目、7日目
食事療法で排泄された腐敗便
いま日本人の5人に1人は便秘トラブルを抱えていると云います。便秘ぐらいとつい軽く考えがちですが、便秘は老廃物を長く腸内(体内)に留め、悪玉菌を繁殖させて血液を汚し、それが全身を巡ってすべての組織・器官に有毒物質を送り込み(自家中毒)、多くの病気や身体不調の元凶になるというから、甘く見ない方が良さそうです。図-左は便秘患者の排せつ物だそうです(バーナード・ジェンセン;汚れた腸が病気をつくる)。便秘が続くと腸に憩室(けいしつ)という突起ポケットができるそうですが、それを含めた腸の形状そのままの形をしています。こんなものを体内に溜め込んでいたら糞詰まりもいいところで、病気になることは容易に想像できます。図-右は足にできた頑固な潰瘍が食事療法による腸の浄化で、わずか1週間後に回復した様子を示しているそうです。便秘がいかに怖いか一目瞭然です。細胞は老廃物を除去した培養液に浸しておくと死なないそうで、結局、血液の汚れが細胞を破壊し病気・老化につながるようです。ジェンセン博士は「乳製品や肉類をたくさん食べる人ほど腸の状態は最悪で、穀類を中心に食物繊維の豊富な食事をする」ことを勧めています。
  いまは健康ブームで本屋にはその種の本が多く並んでいます。しかし「長生きしたけりゃ肉は食べるな」(若杉友子)の横に「肉を食べる人は長生きする」(柴田博)があったり、「空腹が人を健康にする」(南雲吉則)の横に「その健康法では早死にする」(高須克弥)があったりして、正直何が正しいのか分からなくなります。ジェンセン博士に従えば便秘にならないためには肉は避けた方が良く、また、博士は宿便を排泄する最良の方法は「断食」と云っておられ、その意味で空腹は便秘の解消によいと考えられます。一方で我々は9種類の必須アミノ酸を食事から取る必要があり、そのためには良質の(加工されてない)肉や魚が必要です。また空腹を維持してやせ細っても、低体温体質になってかえって免疫力を落とすことになりかねません。要はあまり厳格にならず、便秘を起こさない範囲で肉を食べ、食事の量も取ることが大切なのではないでしょうか。「生ごみの堆肥化で健康づくり」ではアメリカの「5 a Day」運動を紹介しています。新鮮な野菜・果物をたくさん食べることは食物繊維が便秘トラブルを解消し、生活習慣病の減少につながると考えられます。


2013年4月13日土曜日

農業者の会合

  いま6名の高齢農業者の協力のもと、生ごみ堆肥による無農薬野菜の栽培を行っています。しかし普段ほとんど顔を合わせることもなく、また全員が農業は初めての疑似農業者ばかりのため、お互いの情報交換を行なおうと2回目の会合を持ちました。まず私の方から「連作のすすめ」(木嶋利男、家の光協会)という本にあった、「連作は土壌病害が発生しやすいと云われるが、一度それを乗り越えると発病衰退現象が現れ、農作物の収量、品質、生産の安定性は輪作より勝るようになる」という内容を紹介しました。小さい頃にハシカにかかると免疫ができ、以後ハシカに感染しなくなるのと同じことが、畑でも土壌微生物の拮抗作用によって起きることが面白く感じられたからです。本には野菜毎の病害虫に強い連作技術も記載されており、先日隣組で行ったジャガイモの植えつけでは、本にある方法を半分取り入れたことを紹介しました(上図)。この方法ではまず種イモのへそ(親株とつながっていた部分)を切り落とし(これを「乳離れ」といい、萌芽が良くなるそうです)、次にへそを上に縦に切断して(横に切断すると導管を切り萌芽しない)切り口を乾燥させたあと、普通は切り口を下に植えつけるのを上向きに「逆さ植え」します。こうすると芽数は少ないが病害虫に強い芽だけが伸びてくるそうです。ただ皆さんもいろいろ勉強をされていて、ある人は「根菜類」→「葉菜類」→「果菜類」を繰り返すと病害が抑えられるというので、いまその方法を実践しているとのことでした。
  次にブログでも触れた「F1-種」について話し合いました。そして「野口のタネ屋」さんからインターネットで固定種(在来種)が安く買えることを紹介し、できれば収穫後自家採種を行って我々独自の野菜を作っていこうと話し合い、このときは全員のイキも揚がりました。「畜糞堆肥」の怖さについても再度説明し、我々の畑には絶対に使用しないことを確認し合いました。
  最後に野菜の作付けの大まかな分担について話し合いました。しかし今はそれより堆肥の量が絶対的に不足しており、生ごみ処理量(300~400kg/月)をもっと増やすべきことが大きな話題になりました。しかし助成金はなく、寄付金も思うように集まらない現状では、処理箱(たいぞう君)の製作費(9万円/台)もままならず、また、生ごみの収集や生ごみ処理協力者をどうするかなどいろいろ課題もあり、一気には進められないものの、まずはできるところから少しづつ増産に努めていこうということで会合を終えました。
 

2013年4月4日木曜日

1年間の活動のまとめ

 この1年は地区内2か所にある生ごみ処理機(たいぞう君)3台で、隣組の生ごみ・仕出し料理の調理屑を月に300~400kg処理し、できた堆肥で当初は3人が、いまは6人が無農薬野菜を育て、週に2回、地区内の2店舗で、また、2ヶ所の仕出し料理屋さんに販売してきました。販売額の推移は下図の通りで、月に3~4万円まで順調に伸ばしましたが、1月以降は降雪と端境期が重なって、販売額は一気に落ち込んでしまいました。野菜を栽培してくれる人には販売額の半分ほどを手渡していますが、多い人は月に8~9千円になることもあり、「励みになる」と素直に喜んでもらっています。
 農作については、堆肥をどの程度畑に入れるべきかまだ手探り状態であったり、葉菜類を虫に食われボロボロにしたり、硝酸塩が思いのほか高かったり、まだまだ試行錯誤の段階にあります。それでもほとんどの種類の野菜の栽培を手掛け、土つくりさえ進めば無農薬で間違いなく育てられることを確信できたのは、大きな収穫だったと考えています。
 野菜については、販売店から「野菜嫌いで白菜などほとんど食べない子供(中学生)が、エコの環の白菜は食べてくれた」とか、「有機野菜といっても必ずしもおいしくないが、このエコの環野菜は本来の味がする」といった、お客さんの温かい声をときどき聞いたり、追加注文を受けたりしたこと、また、当初は生ごみ堆肥に懐疑的であった仕出し料理屋さんから、「おいしかった」とか「日持ちが良い」など、見直しの声が聴けたりしたことは大きな自信になりました。
 今季の活動は当初、京都地域創造基金を通じた寄付を当てにしていたのですが、我々の不慣れもあり、寄付集めが非常に難しいことを思い知った1年でした。京都地域創造基金を通じた寄付には、所得税・地方税の控除といった税制上の大きな優遇措置があるのですが、実際のところ1万円以上の寄付額でないとあまりその恩恵はなく、寄付の依頼に行っても年配者には確定申告が免除で、所得税とは無縁の方が多かったり、若い人には1万円というのは厳しかったりして、なかなか「1万円」と口に出せないのが実情でした。一方、「1,000円で結構ですから」というとほとんどの人は快く寄付に応じてくれ、寄付金額にハードルのあることを知りました。また、「阿蘇海が汚れて魚が獲れなくても、魚を食べることに困らない」とか、「生ごみを燃やすのは悪いといっても、毎日所定の場所まで持っていくのが面倒くさい」といった各人の意識のハードルもあり、我々の思いを伝えることの難しさを思い知った1年でもありました。とはいえ「エコの環」のシステムもギクシャクしながらも回り始めたことから、今年度は生ごみ処理量の増大を進めるべく、自治会などとの連携を図っていきたいと考えています。