2022年3月22日火曜日

へどろから見た持続可能な世界ー不純物

 私の誕生石(7月)はルビーです。ルビーは無色透明の酸化アルミニウム(Al2O3不純物としてクロムが1 %ほど混ざったもので、色鮮やかな赤色の宝石です。この酸化アルミニウムに鉄とチタンが微量混ざると、こんどはサファイアというブルーの宝石(9月の誕生石)に変わります。このように純粋なものより、それに不純物が少し混ざった方がはるかに価値の高くなるものが多くあります。ノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈氏は、高純度のゲルマニウムに少し不純物を加えることで江崎ダイオードを発明されました。水も蒸留水はまずくて飲めませんが、カルシウムやマグネシウムが少し入ると見違えるように美味しくなります。鉄も純鉄は柔らかくてそのままでは使えないので、炭素を数%含有させ焼き入れして使用します。

 いま私たちは食生活において、食糧のほとんどを精白して食べています。例えばご飯は玄米を脱穀し、白米にして食べます。しかし白米にすると玄米の大切なビタミン・ミネラル類や食物繊維の多くが取り除かれ、まさに「白米=粕(カス)」になってしまいます。江戸時代に多くの商人・庶民が白米を食べるようになると、ビタミンB1の欠乏から脚気が流行ったそうです。これを「江戸患い」といいますが、徳川将軍はじめ多くの死者も出たというから怖い話ですパン、うどん、ラーメン、ケーキなどに使われる小麦粉は精白の最たるもので、ビタミン・ミネラル、食物繊維は無いに等しいといいます。
 調味料に使われる砂糖や食塩に至っては、純度99%以上と化学薬品並みです。南米の人が日常的に飲んでいる「コカ茶」は、純度を上げるとコカインという麻薬になりますが、あまり純度を上げるとかえって危険になるかも知れません。砂糖は単独で摂っても菓子で摂っても身体に有害であるといわれます食塩も田中真紀子さん(衆議院議員)がかつて国会で、「最近の食塩は漬物をうまく漬けられない」と質問していましたが、「NaCl」という化学物質は野菜にとって劇薬なのかも知れません
 
 いずれにしても食糧を精白して食べることは、ルビーやサファイアといった宝石をただの鉱物に変えて食べるに等しく、現代人はビタミン・ミネラル、食物繊維が不足した「現代型栄養失調」に陥っているとよくいわれます。
 ビタミンやミネラル体内のさまざまな代謝(化学反応)に関わる栄養素で、必要量はわずかでも健康維持、体調管理には絶対に不可欠なものです。
 一方の食物繊維は体内に吸収される栄養素ではありませんが、食後の血糖値の急上昇やコレストロール、ナトリウムの吸収を抑え、また大腸で善玉菌のエサになったり腸内環境を整えることで、生活習慣病の予防に大きな働きをすることが分かっています。最近、「糖化」という化学反応が老化を促進する因子として注目されています。血液中の余剰の糖分がタンパク質と結合して「糖化物質」を作り、それが肌のシワやシミになったり体内の臓器や組織を痛めるのだそうです。ホットケーキを焼くと茶色い焦げができますが、これも砂糖と小麦粉のタンパク質が引き起こす糖化反応で、同じようなことが体内で起きるのだそうです。老化といえば活性酸素による身体の酸化反応がありますが、こちらが「身体のサビ」と表現されるのに対し、糖化反応は「身体のコゲ」と表現されます。どちらも老化、病気を防ぐ上で私たちが常に注意すべきことなのです。糖化反応を抑えるには食後の血糖値の急上昇を抑えることが大切で、それには食物繊維を摂ることが必須なのです。
 
 食物繊維は植物性の食べ物からしか摂ることができません。また活性酸素を抑えるファイトケミカルも植物性の食べ物からしか得られません。老化、病気予防に「野菜の力」が見直されています。毎日350グラム以上の野菜を食べましょう



















や介護費の増加を気にするのなら、自然塩をもっと安く作ることにも気を使って欲しいと思います。