2019年6月9日日曜日

プラスチックごみ

 家内を亡くしてから週に2~3回はスーパーへ食料品を買いに出かけ、自炊をしています。そして初めて気付き、びっくりしたことは、毎日捨てられるプラスチック包装紙、容器のあまりにも多いことです。私はお茶とか水はほとんど買わないので気が付かなかったのですが、子供たちが帰ってくると更にペットボトルが一気に増えます。

 これら廃棄物はリサイクルされることになっており、そのためにはできるだけきれいな状態で回収されないと困ります。しかしケチャップやマヨネーズの入っていた容器は、少し残ったまま捨ててしまいがちです。また、食品に付いているソース、薬味などの袋も洗わないまま、あるいは未開封のまま捨ててしまいがちです。私はタバコは吸いませんが、タバコを吸う人はよく吸い殻を缶やボトルに捨てたりします。
 
 こうした不純物混じりの廃棄物は一体、どうやってリサイクル処理するのだろうと、つい元エンジニアの私などは考えてしまいます。多分、ベルトコンベアで流れてくる廃棄物を一つ一つ人間が目で、あるいは機械がセンサーで判断し、きれいなものと汚いものに分別し、きれいなものは更に洗浄してリサイクルに回し、汚いものは・・・・・・、さてどうするのか?


 いま、プラスチックによる海洋汚染が地球規模で非常に深刻な状況になっています。大量のプラスチックが海に流れ出し、それを食べた魚や動物が死んだり、また魚がそれを体内に蓄積するようになったからです。
プラスチックごみを食べたクジラ

 ではどこからそうしたプラスチックが流出しているかというと、中国、インドネシア、インドなど、主にアジアの発展途上国からが多いといわれます。ただ、アメリカ、日本などの先進国からそうした国に、大量のプラスチックごみが「資源」という形で輸出されているのも事実で、つまりリサイクルの押し付けが行われているのです。こうした国々は当然先進国より処理技術は劣っており、結果として海への流出に結びついているのです。だから先進国の責任が大きいのです。

 リサイクルというと当然、元の包装紙や容器に再生されることをイメージします。表示マークもそれを印象付けます。しかし実態は70%ほどがサーマルリサイクルといって燃料として燃やされるか、あるいはただ単純に燃やして処分され、20%ほどがプラスチック製のカゴやベンチ、杭などに加工されるだけで、元の包装紙や容器に戻るわけではありません。

 こうした状況を背景に、いま「脱プラスチック」の運動が大きな企業から始まっています。スターバックスがストローを紙製のものに変えたり、サントリーが化石燃料由来のペットボトルを2030年までに全廃する方針を固めたりしています。

 私たちも「エコの環」事業では野菜の栽培にビニール製マルチやネットを使ったり、野菜の販売ではビニール袋を使ったりしており、少なからず責任を感じています。しかし私たちにできるいい代替案がなく、いまはただ脱プラスチックの流れから、植物由来のバイオマスプラスチックが早く実用に供されることを願うばかりです。