食用油について
先月の19日に食用油についての料理教室(ちーたび)を実施しました。会場は吉津地区公民館を予定していましたが、府会議員選挙とぶつかり、場所を「すゞ菜」に変更して実施しました。参加者は定員の8名でした。
まず最初に生ごみ処理機(たいぞう君)と畑の見学に出かけました。参加者には生ごみのたい肥化に関心のある人が多く、とても熱心に話を聞いて頂きました。
見学から帰って、まずゲストの青木伸代さん(丹後アレルギーを考える会代表)から、食用油についてのお話をして頂きました。青木さんはアレルギー疾患がまだあまり知られていなかった頃、子供さんがひどいアレルギー症で、まったく対処法が分からないなか、アレルギー問題に取り組んでこられました。そして30年間の取組みの中から、アレルギーは単に食べ物だけの問題でなく、農薬とか添加物(化学物質)、大気汚染、電磁波といった現代生活のありとあらゆるものに過敏に反応する症状で、衣食住すべてにおいて現代文明への警告ではないかと話されました。
そして日本には昔は「ハレの日」(特別な日)と「ケの日」(日常の日)とがあり、食用油は「ハレの日」にしか食べなかった。しかしいまは毎日が「ハレの日」になり、また食事が和食型から洋食型に変わり、油の摂取量はむかし(昭和40年頃以前)の3倍以上になった。
食用油には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、また後者にはオメガ6系、オメガ9系、オメガ3系とがある。これらの中で飽和脂肪酸(バター、ラードなど)は脂肪として体内に蓄積されやすく、減らした方がよい。オメガ6系(コーン油、マーガリン、大豆油など)は加工食品などから過剰に摂取しやすく、またさまざまな病気の引き金になるので減らした方がよい。オメガ9系(オリーブ油、菜種油、ひまわり油など)は酸化しにくく、生活習慣病予防になるので、摂り過ぎはよくないが日常的に使うのが良い。オメガ3系(魚の油、亜麻仁油、えごま油など)は健康的によく、加熱しない方法で積極的に摂るのが良いと話されました。
この後すゞ菜の女将小西さんから、油を控えた料理としてコロッケの調理指導がありました。里いもに乾燥エビ、味付けのりを加えてまるめ、それを揚げるのでなく油で焼くだけのものでした。コロッケ、おにぎりは各自が自分のものをまるめて作りましたが、これまでおにぎりを作ったことのない私には、熱いご飯を握るのが難しく、フニャフニャのおにぎりになってしまいました。料理はこの他に里いもにゆず味噌を和えたもの、豆乳味噌汁などが作られました。
会食では一斉に「おいしーい」という声が上がりました。3歳の男の子を連れてきたあるお母さんは、「普段は里いもはまったく食べないのに、今日は食べてくれた」と驚いておられました。小西さんによると「子供の舌は正直」なのです。
交流会では、油を使わない和食はダシが基本であり、小西さんのダシ取りの話に関心が集まりました。小西さんはダシ取りの話に加え、「いまは一汁三菜から農薬、添加物を除去しようとしても、正直言って困難である。しかし一汁ならできる。一汁をしっかり作って食べてほしい。」と話しておられました。また、青木さんは「油にしろ添加物にしろ、あれはダメ、これもダメと排除すると食べるものが無くなる。しかし安全なものを知り、あれを食べてみよう、これを食べてみようとチャレンジすれば、食べるものはいっぱい増えてくる」と話されました。
参加者から「食用油にも摂った方がよい油のあることを知り、また工夫次第で油の量を減らせることを知り、非常に勉強になった」という声を聞き、とても充実した雰囲気の中、ちーたびを終えることが出来ました。
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