2019年11月24日日曜日

へどろヒートポンプの実演

 吉津地区公民館恒例の作品展が11/9~10に行われ、そこでへどろヒートポンプのデモ機を初めて一般公開し、実演を行いました。作品展には例年、絵画、書道、写真、生け花、盆栽、手芸、工作などが出展されますが、へどろヒートポンプはいささか場違いな感じがして、最初は出展を躊躇しました。しかし公民館長に相談すると、「まずは出展して、皆さんに知ってもらうことが大切だろう」と励まされ、11/9は展示のみ、そして11/10に実演を行いました。
作品展での説明

 最初は実演をして分かってもらえるか不安でした。しかし珍しそうに立ち寄った皆さんは、まずへどろ粉末に直結した容器の水から泡がポコポコ出るのに興味を持たれ、「それは吸湿性の強いへどろが蒸気を吸っているからですヨ」と説明すると、一様にびっくりしてのぞき込み、さらに泡の出ている水と出ていない水ではかなりの温度差があるのを温度計で示すと、非常に不思議な顔をされ、そこで「蒸気が出るときに水から熱を奪うからで、このへどろの力を使って真夏の屋根を冷やし、奪った熱でお湯を沸かせば、エアコンが不要になり、給湯エネルギーが削減できます」と説明すると、大きく頷きながら感心してもらえました。ああ何とか分かってもらえたかと、とても嬉しく思いました。

丹後地域力up大作戦のイベント
一週間後の11/17には、丹後王国「食のみやこ」で丹後地域力up大作戦のイベントがありました。そこにブルーシー阿蘇のブースを出し、「エコの環」の活動とヒートポンプの説明、実演、そして「エコの環」野菜の販売を行いました。

 当日はマラソン大会などもあり、多くの人が訪ねてきてくれました。しかしほとんどは各ブースでもらえるスタンプが目当てで、スタンプを集め抽選会で賞品をもらったら帰ってしまう人ばかりで、私たちの説明を聞いてくれる人は極わずかでした。

 ブースの前に「エコの環」野菜を並べておいたので、珍しそうにのぞき込む人は結構いました。しかし買ってくれる人は少なく、眺めて立ち去る人ばかりで、それがとても残念でした。中には話を聞いてくれる人もいました。「へどろからゼオライトを作ることができます。ゼオライトで生ごみを発酵させるといい肥料になり、それで作った美味しい野菜がここにある野菜です」と説明すると、「なるほど。どうして野菜が並んでいるのだろうと不思議に思ったが、その理由が分かった」と、改めて面白そうに「エコの環」野菜をじっくり見てくれたりしましたが、なかなか買ってはもらえませんでした。

 ブースで熱心に話を聞いてくれた人たちに、「国連が進めるSDGsを知っていますか?」と聞いてみました。しかし知っている人は一人もいませんでした。このままでは地球は持続できないので、2030年までに達成すると国連が決めた17の開発目標です。残された時間は10年ちょっと、こんなことでいいのかと非常に不安を感じました。

17の開発目標






2019年11月7日木曜日

へどろヒートポンプの展示

 東京オリンピックの競技種目、マラソンと競歩の開催地が、急遽、東京から札幌に移されることになり、日本中がそれこそ大騒ぎになっています。札幌はこれから積雪シーズンに入り、準備期間がほとんどないことと、札幌の最近の夏の暑さは東京とあまり変わらないというからです。

CO2排出量と気温の上昇
人類はこれまでに約2兆トンのCO2を地球上に排出し、地球の気温は産業革命前に比べ約1℃上昇したといわれます。そしていまのペースでCO2を排出し続けると、2050年には排出量が約3兆トンになり、さらに温度は1℃上昇するといわれます(右図)。
 気温が1℃上昇しただけでも、異常気象が下図のように増え続けてきていることを考えると、CO2の削減はもう待ったなしで行わなければならないことが分かります。


 8月にへどろヒートポンプのデモ機を作ったことに触れました。 これは温暖化対策として、地表の温度を冷やすことを目論んでいます。しかし残念ながら未だこうした装置は存在せず、なかなか理解してもらえません。
 
 吉津地区公民館で文化祭作品展が下記日程で行われます。
     11月  9日、12~18時
     11月10日、9~16時

 また、丹後王国の芝生広場で丹後地域力UP大作戦「見たい! 知りたい! NPO」が下記の日程で行われます。
     11月17日、10~16時 
 
 上記イベントにデモ機の出展を考えています。そして実演をしたいと考えています(文化祭作品展では11月10日の日のみ)。ぜひ足を運んで見に来てください。
 

2019年9月30日月曜日

レシピ

 9月に入ると、「エコの環」の栽培者から「芋づる」とか「むかご」が出てくるようになりました。そして近所の方からその芋づるで作った佃煮を頂き、それがとても美味しく、2日間で食べきってしまいました。

 そんなことから女性の方なら芋づる、むかごの調理法は当然ご存じだろうと、定期購入者の袋に入れたり、販売に回したりしていました。ところがその後2~3の方から、「芋づるの利用法が分からない」とか、「むかごはどうやって食べたらよいの」といった声が寄せられました。しかし私自身、調理にまったく疎く、たまたま一人の人に「先日、近所の方から芋づるの佃煮を頂き、それがすごく美味しかった」と話すと、「ぜひそのレシピを教えて欲しい」と言われました。

 そこで佃煮を作ってくれた人に恐る恐るレシピを書いてくれるようにお願いしました。すると早速、調理手順を書いた紙を渡してくれたのですが、「芋づるの量は計っておらず、また、調味料のしょう油とかみりん、さとうなどの量もこれまで計ったことがなく、ここに書いた量は大雑把で多すぎるかも知れない」と言いつつ、大さじ何倍といった量を教えてくれました。そして誰かに確認して欲しいと頼まれました。

 そこでそのレシピをすゞ菜の女将に見せ、意見を聞いてみました。すると女将も「調味料は味見しながら入れるので自分も計ったことがなく分からない。ただ、調味料が少ないと傷みやすいのでそれくらいの量でよいのでは」との返事でした。

 そういえば私の家内も生前、私が何かのことでレシピのようなものを尋ねたとき、「量なんて計ったことがないので分からない」との返答で、そのときはずいぶんズボラだなと思っていましたが、しかし考えてみれば毎日毎日、同じような調理をするのに、いちいち材料;何グラム、調味料;スプーン何杯なんてやってはおれない、自分の舌とかこれまでの経験といった勘に頼るのが当たり前で、その方がむしろその人独自の味が作り出されるのであって、逆にレシピというのは全く経験・知識のない人が手引きとして使うもので個性がなく、自分の好みの味が得られるかどうかはわからないということを、今回のことで知りました。

 とはいっても私のような初心者にはやはりレシピは必要であり、むかごについてもインターネットで調理法を調べてみました。すると普通はご飯に混ぜて炊いたりするようですが、「むかごの甘辛煮」というのがあり、実際、自分でもレシピに倣って作ってみるとまあまあのものができ、早速、両者のレシピをパソコンで作り、レシピが欲しいといった人に渡すと同時に、「エコの環」野菜を買ってくれる人たちにも渡してみました。するとほとんどの人がたいそう喜んでくださり、これからはこういったレシピづくりも必要なのだと痛感させられました。自分には少々重荷ですが。



2019年9月11日水曜日

生ごみ処理法(宮津方式)

 先日、生ごみのたい肥化について教えてほしいと、あるご夫婦が訪ねて来られました。”すゞ菜”で食事をしたとき、女将から畑の土つくりに生ごみたい肥がよいことを聞き、詳しい話は私から聞くように言われたとのことでした。

 女将からたい肥作りには発泡スチロールの箱で作った処理箱、土代わりの腐葉土、発酵材のゼオライト、それに虫よけ用の布が必要なことを聞いたといって、発泡スチロールの箱をつなぎ合わせて作った大きな処理箱、14リットル袋入りの腐葉土、20キログラム袋(セメント袋)入りのゼオライト、そして処理箱にかける布として畑で虫よけに使う不織布を携えての訪問でした。私もこれまで多くの人にたい肥作りを教えてきましたが、最初から準備万端で話を聞きに来られたのは今回が初めてで、びっくりしました。

 私たちのたい肥作り(宮津方式)では、上下に蓋のある処理箱を用います。内容物を上方から撹拌するだけでなく、箱を反転させて底方向からも撹拌して、内容物が均質になるようにするためです。そのため発泡スチロール箱を利用して処理箱を作る場合は、二つの箱の底の部分をカットし、その部分をボンドで張り合わせます。そうすると上下に蓋のある処理箱ができ、反転・撹拌が可能になります。しかし今回持って来られた箱は、二つの箱のそれぞれ上部と底部をカットして張り合わせた単なる箱で、反転ができない処理箱になっていました。事務所にある木製の処理箱で反転・撹拌の意味を説明すると、「そーか、なるほど。」と納得されていました。
発泡スチロール箱で作った処理箱

 ゼオライトもコメリなどには見つからなかったためインターネットで探し、送料のことを考えて20キログラム購入したということでした(2年分ぐらいの量)。私たちが1キログラム200円で売っていることを話すと、「なんだ、そーか。」と残念がっておられました。ゼオライトは腐食を促進する化学薬品の様に考えておられたようで、土壌微生物が生息しやすい土(粘土)の一種で、阿蘇海のへどろから合成できることをお話しすると、単なる土であることに驚いておられました。
木製の処理箱

 また、処理箱にかける布も単に虫よけというより、特に冬場は生ごみから出る蒸気が外気にさらされると、内容物の表面、処理箱の側面に凝結してベタベタした状態になりやすいため、布をかけ、蒸気を箱の中にこもらせることで内部温度を高く保ち、乾いた状態を維持しようとするもので、かつては毛布を掛けたりしていたが、いまは使い古したシーツやTシャツなどを使用していると説明すると、大きくうなずいておられました。

 私たちが宮津方式と呼ぶたい肥作りを始めたのは2004年、いまから15年も前のことです。今回、訪ねてこられた人には、準備して持ってこられたものそれぞれに対し、なぜ上下に蓋をもつ処理箱を用いるのか、なぜ土代わりに腐葉土を使うのか、なぜ発酵材にゼオライトを使い、どうやってへどろから作るのか、なぜ箱に布をかけるのか、それぞれの役割、意味をお話ししましたが、今に至るまでにはそれぞれにかなりの変遷、苦労があり、そうしたことが説明する中で一つ一つ思い出され、私にとっても感慨深い機会となりました。


2019年8月18日日曜日

へどろヒートポンプのデモ機

 ここ連日、全国的に猛暑日が続いています。体温を超えることも珍しくなく、太陽光が痛く感じられ、日中はとても外へ出る気になりません。

 これを防ぐにはどうしたらよいでしょう? エアコンですか? しかしエアコンは室内の熱気を外へ吐き出すもので、基本的に温暖化対策にはなりません。こうなったらもう水をかけて冷やすしかありません。そう、打ち水です。夕立というのは自然による一種の打ち水現象で、熱い地表を雨が一気に冷やしてくれるのです。


 いま甲子園では猛暑の中、高校野球が連日熱戦を繰り広げています。テレビで観戦するたび、球場に屋根をかけ、水を流して冷やしたら高校球児も、応援団もどれほど肉体的に助かることかと想像します。

 こんな夢のようなことがへどろヒートポンプを使えば実現できるのではないか。しかもへどろヒートポンプなら蒸発熱をお湯として回収できます。しかしそれを話してもなかなか理解してもらえません。分かってもらうにはやはりデモ機が必要と、2年前から夏原グラント(平和堂財団)の支援を受けて、その製作に取り組んできました。

 へどろヒートポンプの構造自体は極めて単純なもので、最初は装置は簡単に作れると思っていました。しかし持ち運びが楽なコンパクトな装置を目指したことが、結果的に思わぬ落とし穴を作ることになり、結局、3年目の今夏、やっと装置を完成することができました。

ヒートポンプのデモ機
 
 

 夏原グラントには大変なご迷惑をかけてしまいましたが、デモ機はほぼ想定通りの結果を与えてくれ、温暖化が急速に進むなか、啓発活動に積極的に利用していきたいと考えています。







2019年7月7日日曜日

プラスチックごみーその2

 いま私たちはごく普通に生活していても、毎日毎日、大量のプラスチックごみを排出していて、それが回りまわって海に流れ出し、G20の主要テーマになるほどの大問題になっています。それは私たちが快適な生活のためにエネルギーを使いすぎ、異常気象という大きな難題を抱え込むようになったのと、構図は全く同じです。

 私も食事で魚を、それも丸ごと食べられる小魚をよく買って食べますが、買うときについ、その魚の周りにプカプカ浮かぶプラスチックごみを想像したりすると、どうしようか迷ってしまいます。海に浮かぶプラスチックは紫外線と波浪によって、顕微鏡でしか見えないほどの微粒(マイクロプラスチック)にまで砕け、小魚でも簡単に飲み込めるからです。

マイクロプラスチックの一部

 先日の新聞に、京都大学で国連の「SDGs(持続可能な開発目標)について考えるシンポジウム」が開かれ、プラスティック削減に向けて「京都大学プラヘラス宣言」を発表したという記事がありました。

 宣言はプラスチック製品を、「いる」、「いらない」、「避けられる」、「避けられない」の4つの視点から分類し、「いらなくて避けられる」は積極的に削減し、「いるが避けられる」は一人一人の意識や行動を変えていくことで減らし、「避けられない」ものは規制や技術開発による代替を進めることを謳っているそうです。
 
面白い分類法であり、いま私たちが使っている「エコの環」野菜のプラスチック袋について考えてみました。私たちもこれまで何かいい代替はないか相談し、新聞紙を考えたりしていたからです。しかし野菜は鮮度が重要であり、それを保つためにはプラスチック袋はどうしても必要であり、冷蔵庫で保管するにしてもあった方がよく、一方、新聞紙では乾きやすく、鮮度を保つためには新聞紙を濡らしておく必要があります。

 つまり分類では「いる」、「避けられない」になり、前回も述べたように、植物由来のバイオプラスチックが早期に安く、供されるようになることを願うばかりです。とはいえ、何かできることはないかを考えるとき、お客さんからプラスチック袋を回収し、洗浄して再使用することならできそうです。これにはお客さんの協力も必要であり、出来るところから試していきたいと考えています。

 
 海洋汚染につながる汚れたプラスティックごみの輸出入については、有害な廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の規制対象に、新たに加えられることが決まりました(5月)。この改正案は日本がノルウェーと共同提出したものです。引き続くG20でも、日本は議長国として「海洋プラスチックごみ」を主要テーマに掲げ、その責任を果たすべく努力しました。プラスチック大国に住む私たちの責任も、これからさらに大きくなったといえます。





 

2019年6月9日日曜日

プラスチックごみ

 家内を亡くしてから週に2~3回はスーパーへ食料品を買いに出かけ、自炊をしています。そして初めて気付き、びっくりしたことは、毎日捨てられるプラスチック包装紙、容器のあまりにも多いことです。私はお茶とか水はほとんど買わないので気が付かなかったのですが、子供たちが帰ってくると更にペットボトルが一気に増えます。

 これら廃棄物はリサイクルされることになっており、そのためにはできるだけきれいな状態で回収されないと困ります。しかしケチャップやマヨネーズの入っていた容器は、少し残ったまま捨ててしまいがちです。また、食品に付いているソース、薬味などの袋も洗わないまま、あるいは未開封のまま捨ててしまいがちです。私はタバコは吸いませんが、タバコを吸う人はよく吸い殻を缶やボトルに捨てたりします。
 
 こうした不純物混じりの廃棄物は一体、どうやってリサイクル処理するのだろうと、つい元エンジニアの私などは考えてしまいます。多分、ベルトコンベアで流れてくる廃棄物を一つ一つ人間が目で、あるいは機械がセンサーで判断し、きれいなものと汚いものに分別し、きれいなものは更に洗浄してリサイクルに回し、汚いものは・・・・・・、さてどうするのか?


 いま、プラスチックによる海洋汚染が地球規模で非常に深刻な状況になっています。大量のプラスチックが海に流れ出し、それを食べた魚や動物が死んだり、また魚がそれを体内に蓄積するようになったからです。
プラスチックごみを食べたクジラ

 ではどこからそうしたプラスチックが流出しているかというと、中国、インドネシア、インドなど、主にアジアの発展途上国からが多いといわれます。ただ、アメリカ、日本などの先進国からそうした国に、大量のプラスチックごみが「資源」という形で輸出されているのも事実で、つまりリサイクルの押し付けが行われているのです。こうした国々は当然先進国より処理技術は劣っており、結果として海への流出に結びついているのです。だから先進国の責任が大きいのです。

 リサイクルというと当然、元の包装紙や容器に再生されることをイメージします。表示マークもそれを印象付けます。しかし実態は70%ほどがサーマルリサイクルといって燃料として燃やされるか、あるいはただ単純に燃やして処分され、20%ほどがプラスチック製のカゴやベンチ、杭などに加工されるだけで、元の包装紙や容器に戻るわけではありません。

 こうした状況を背景に、いま「脱プラスチック」の運動が大きな企業から始まっています。スターバックスがストローを紙製のものに変えたり、サントリーが化石燃料由来のペットボトルを2030年までに全廃する方針を固めたりしています。

 私たちも「エコの環」事業では野菜の栽培にビニール製マルチやネットを使ったり、野菜の販売ではビニール袋を使ったりしており、少なからず責任を感じています。しかし私たちにできるいい代替案がなく、いまはただ脱プラスチックの流れから、植物由来のバイオマスプラスチックが早く実用に供されることを願うばかりです。