へどろから見た持続可能な世界ー温暖化対策(修正版)
前回、生ごみの発酵時に得られるふるい上(ガラ)とふるい下を、それぞれ畑の土に10%づつ混ぜると、いずれも土の炭素量を2.02%から2.5%ほどに上昇させ、4パーミルイニシアティブ(土壌中の炭素量を毎年0.4%アップ)を達成できること、すなわち生ごみ量にして20%ほどを土に混ぜると、炭素量を0.4%アップできることをお伝えしました。
しかしその後、炭素量の0.4%の解釈に誤りのあることが分かり、改めてここに正しい実験の結果についてお伝えしたいと思います。 今年の実験では炭素量が2.02%の土を使いました。この土の炭素量を0.4%アップさせるということは、2.02+0.4=2.42%にするというのではなく、2.02×1.004=2.028%にすればよいということです。つまり2.5%になったということは、2.5/2.02=1.238、すなわち23.8%(0.4%の約60倍)も炭素量がアップしたことを意味します。昨年の場合なら、1.30×1.004=1.305%になれば十分であるのに対して2.03%に、つまり56.2%(0.4%の約140倍)も炭素量がアップしていたことを意味します。しかも土をそのまま放置すると、1年経っても炭素量はほぼ全量が保存していたのに対し、土を頻繁に攪拌して空気を入れると、炭素量は大きく失われてしまうことも分かりました。
土壌にとって有機炭素は非常に大切です。土壌微生物が棲みやすく、肥料成分の宝庫となり、干ばつにも耐えやすくなるからです。昨年・今年と続けて行った実験から、生ごみを肥料に使うことは土壌中の炭素量を大幅にアップし、土を肥沃にし、非常に大きな温暖化対策になることが分かりました。しかしせっせと耕して畑に空気を入れると折角の炭素量を失ってしまうので、出来るだけ耕さない「不耕起栽培」が大切になってきます。国連も温暖化対策、砂漠化対策として不耕起栽培を推奨しており、農業先進国では20%以上導入しているところもあるようです。しかし日本はいまのところ不耕起栽培に関して後進国であり、ほとんど導入されていません。実践を重ねることで独自の農法を見つけていきたいと考えています。
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