2016年12月28日水曜日

この1年を振り返って

 気がつけば今年もあと数日で年の瀬を迎えます。歳を取ると時間の進みが速いと言いますが、特に最近、そのように感じます。やらねばならないことは一杯あっても、若い時のようにテキパキことが進まず、はやる気持ちがそのように感じさせるのかもしれません。
 
さて、私たちは「エコの環」事業の自立を目指しています。しかし野菜を栽培してくれる人たちに出来るだけ多くの分配金を渡し、一方で生ごみ処理のアルバイト費、作業場の家賃を捻出しようとすると、どうしても月に最低12万円(年額にして1,440千円)ほどの野菜の売り上げが必要となります。右図は野菜販売額の推移ですが、まだまだ自立には程遠い状態です。そこで今年度は何とか月に10万円の売り上げ(年額1,200千円)を達成しようと、少し厳しい目標を立てスタートしました。京都府のソーシャル・ビジネスプログラムの支援を受けている間に、自立体勢を整える必要があるからです。
 そして6~8月と何とか目標額を上回る売り上げを達成しました。正直、この3ヶ月間は野菜の袋詰めにウンザリするほどの出荷量がありました。しかし8月の後半から出荷量が減り始め、例年9月は端境期で出荷量が落ちるのでその影響と思っていたのが、10月になっても回復しません。「あれッ?」と思っている内に9~10月の販売額が、前年度を大きく割り込んでしまいました。丁度そんな頃テレビが天候不順による全国的な野菜の高騰を盛んに報じるようになり、私たちの「エコの環」野菜も天候の影響を受けていることを知りました。かといって野菜の値段を急に上げることもできず、しかもシカやイノシシ、カラスなどによる獣害が重なり、年額1,000千円の達成も厳しい状況になってしまいました。
 もちろん私たちも野菜の他にギンナンを拾いに行ったり、ブルーベリーや甘夏を栽培者に代わって採取したり、黒ニンニクを作ったり、あるいはコロッケ、巻き寿司などをもって市に出かけたり、いろいろ努力もしましたが、野菜出荷量の減少には追い付かず、天候次第の農業の難しさを思い知りました。
 しかしそうした中にも、「このあいだの〇〇〇、メッチャおいしかったよ」、「△△△、もっと欲しいんだけど」、「他の野菜とは味が違う」といった声をよく聞くようになり、また、「この野菜を食べ始めて体調がよくなった」という声も3人ほどの人から寄せられ、そうした声が本当に大きな励み、支えとなって頑張ることが出来ました。

 ちーたび「昭和40年頃の味探訪シリーズ」も2回実施し、来年1月に3回目を予定しています。こうした料理教室を実施するなかで、私たちも健康について随分学ぶことができました。そしてアメリカで発表されたマクガバン・レポート(1977)が、なぜ現代病は「食源病」であると言ったか、なぜ日本食を世界で最も理想的な食事として推奨したかが分かるようになりました。日本食はご飯を主食にダシを使った野菜の煮物が中心で、肉、油をあまり使いません。そうした一汁三菜の食事なら腹いっぱい食べてもメタボにならないのです。がん、心臓病、糖尿病などの現代病になりずらいのです。これからも健康を考える料理教室を再々開催し、「1日350グラム以上の野菜と200グラム以上の果物を食べる」ことを呼びかけていきたいと思っています。
 
 ところでへどろヒートポンプですが、目の前に現物が無いとなかなか理解してもらえません。実験費用がなく長く足踏み状態が続いていましたが、幸いここに来てある業者が「養殖魚の生けすの水温低下」にへどろヒートポンプが利用できないか実験し、可能性のあることを実証してくれました。また、府立海洋高校が授業の一環としてへどろヒートポンプの実験に取り組み始めました。温暖化対策が急がれるなか、来年こそ何とか実用化装置の開発に取り組みたいと考えています。

 良い年をお迎えください。

 

 

2016年12月14日水曜日

楽市楽座

 宮津市由良のある民家で、月に一度「楽市楽座」という市が開かれています。これに家内と小西さん(すゞ菜の女将)が、「エコの環」野菜の宣伝をかね、野菜、コロッケ、巻き寿司などを持って販売に出かけました。私はたまたまその日はある行事と重なり、出かけられませんでしたが、家内は大根、かぶ、里いも、白菜菜、小松菜などの野菜、小西さんは「エコの環」野菜を使って下準備をしたコロッケ、そして小松菜、ごぼう、ゴーヤの佃煮などの入った巻き寿司をもって出かけ、コロッケは現場で揚げながら販売したそうです。


楽市楽座の様子

 この市、実は私も昨年だったか一度、「エコの環」野菜の販売に出かけたことがありました。その時は参加料の1,000円をケチり、民家の外で買い物に来たお客を相手に販売を行ったのですが、全然立ち寄ってもらえず、チラシ配りに終わった苦い、寂しい経験があり、今回は参加料を払って民家の中で販売するとはいえ、果たしてどれほど売れるか心配でした。

野菜とコロッケ、巻き寿司などの販売

 後で状況を家内に聞くと、コロッケは全部で40個、巻き寿司は全部で10本持って行ったものが完売で、野菜についても半分ほどが売れたそうです。「すゞ菜」のお客さんが結構訪ねてきて買ってくれたようで、小西さんの事前の呼びかけが大きかったのと、コロッケは揚げ立ての温かいものが魅力的だったのかもしれません。改めて女性の行動力というか底力に感心させられました。

そして参加料はやはりケチるべきではなかったと反省させられました。

2016年12月4日日曜日

ふるさと産品

 ふるさと納税という制度があります。具体的内容はあまり詳しく知りませんが、財政的に比較的ゆとりのある都会と、苦しい田舎の税収格差をなくすため、都会に住む人たちが自分の納める住民税を自分のふるさとや、あるいは好きな地方の町に収めることを可能にした制度だったと思います。
 こうした都会からのふるさと納税を集めるのに、本来は地方の町が「こうした政策にお金を使わせていただきます」と、魅力的な政策をアピールして納税獲得を目指すべきなのでしょうが、地方の特産品を送って喜ばれる方が効果的なため、いまはいかに豪華な特産品で税金をかき集めるかの競争になっているようです。

 ところで私たちが進める「エコの環」ですが、本来、その目指すところは地域の生ごみを栄養豊富な野菜に変え、地域で消費して健康増進に役立てる「地域完結型の循環」です。したがってこれまで地域外の人から野菜を譲ってほしいと言われても、あまり積極的な対応はとってきませんでした。しかし販売量を増やそうとする一方で、なかなか地域での購買者開拓が進まないなか、いつまでも正論に固執しているわけにもいかず、今年から欲しい人がいたら宅配を使っても対応するようにしました。

 こうしたこともあり今年の9月、宮津市の「ふるさと産品」に申し込んでみました。少しでも「エコの環」野菜の良さが外部に伝わり、それが地域に跳ね返ってくることもあるのでは、といった淡い期待もあってのことでした。そして3,000円相当の野菜の詰め合わせが、6~8月、10~12月の間にそれぞれ3箱づつ提供可能と申請しておきました。例年9月は端境期で野菜の出荷量が少なく、9月を外しておいたのですが、今年は天候不順の影響か10月、11月になってもなかなか出荷量が伸びず、正直、注文が来たらどうしようとひやひやしていました。そんな11月22日、「野菜の詰め合わせ」の送付依頼が3箱、Faxで送られてきました。
 やっと少し出荷量が上向き始めていたときだったので、その点は助かりましたが、通常の出荷日の翌日であり、今度は送る野菜の品揃えに生産者の皆さんに無理を頼み、また、送る野菜に問題があっては大変と、家内と2人でピリピリしながら袋詰め、梱包を行いました。何とか大根、かぶ、ピーマン、パプリカ、いんげん、水菜、ニンジン、ごぼう、里いも、さつまいもの10品の詰め合わせができ、価格的には問題ないと思っていますが、果たしてどんな感想を持っていただけたか、いまは不安と期待の入り混じった気持ちでいっぱいです。