この1年を振り返って
気がつけば今年もあと数日で年の瀬を迎えます。歳を取ると時間の進みが速いと言いますが、特に最近、そのように感じます。やらねばならないことは一杯あっても、若い時のようにテキパキことが進まず、はやる気持ちがそのように感じさせるのかもしれません。
さて、私たちは「エコの環」事業の自立を目指しています。しかし野菜を栽培してくれる人たちに出来るだけ多くの分配金を渡し、一方で生ごみ処理のアルバイト費、作業場の家賃を捻出しようとすると、どうしても月に最低12万円(年額にして1,440千円)ほどの野菜の売り上げが必要となります。右図は野菜販売額の推移ですが、まだまだ自立には程遠い状態です。そこで今年度は何とか月に10万円の売り上げ(年額1,200千円)を達成しようと、少し厳しい目標を立てスタートしました。京都府のソーシャル・ビジネスプログラムの支援を受けている間に、自立体勢を整える必要があるからです。
そして6~8月と何とか目標額を上回る売り上げを達成しました。正直、この3ヶ月間は野菜の袋詰めにウンザリするほどの出荷量がありました。しかし8月の後半から出荷量が減り始め、例年9月は端境期で出荷量が落ちるのでその影響と思っていたのが、10月になっても回復しません。「あれッ?」と思っている内に9~10月の販売額が、前年度を大きく割り込んでしまいました。丁度そんな頃テレビが天候不順による全国的な野菜の高騰を盛んに報じるようになり、私たちの「エコの環」野菜も天候の影響を受けていることを知りました。かといって野菜の値段を急に上げることもできず、しかもシカやイノシシ、カラスなどによる獣害が重なり、年額1,000千円の達成も厳しい状況になってしまいました。
もちろん私たちも野菜の他にギンナンを拾いに行ったり、ブルーベリーや甘夏を栽培者に代わって採取したり、黒ニンニクを作ったり、あるいはコロッケ、巻き寿司などをもって市に出かけたり、いろいろ努力もしましたが、野菜出荷量の減少には追い付かず、天候次第の農業の難しさを思い知りました。
しかしそうした中にも、「このあいだの〇〇〇、メッチャおいしかったよ」、「△△△、もっと欲しいんだけど」、「他の野菜とは味が違う」といった声をよく聞くようになり、また、「この野菜を食べ始めて体調がよくなった」という声も3人ほどの人から寄せられ、そうした声が本当に大きな励み、支えとなって頑張ることが出来ました。
ちーたび「昭和40年頃の味探訪シリーズ」も2回実施し、来年1月に3回目を予定しています。こうした料理教室を実施するなかで、私たちも健康について随分学ぶことができました。そしてアメリカで発表されたマクガバン・レポート(1977)が、なぜ現代病は「食源病」であると言ったか、なぜ日本食を世界で最も理想的な食事として推奨したかが分かるようになりました。日本食はご飯を主食にダシを使った野菜の煮物が中心で、肉、油をあまり使いません。そうした一汁三菜の食事なら腹いっぱい食べてもメタボにならないのです。がん、心臓病、糖尿病などの現代病になりずらいのです。これからも健康を考える料理教室を再々開催し、「1日350グラム以上の野菜と200グラム以上の果物を食べる」ことを呼びかけていきたいと思っています。
ところでへどろヒートポンプですが、目の前に現物が無いとなかなか理解してもらえません。実験費用がなく長く足踏み状態が続いていましたが、幸いここに来てある業者が「養殖魚の生けすの水温低下」にへどろヒートポンプが利用できないか実験し、可能性のあることを実証してくれました。また、府立海洋高校が授業の一環としてへどろヒートポンプの実験に取り組み始めました。温暖化対策が急がれるなか、来年こそ何とか実用化装置の開発に取り組みたいと考えています。
良い年をお迎えください。