2015年2月28日土曜日

少年事件

 川崎市で中学1年の少年が殺害された事件が、連日テレビ・新聞で報道されています。ほんの13歳の少年がカッターナイフで殺害されたと聞くと、さぞ怖かったであろうとこちらまで身震いする思いです。犯人として遊び仲間の少年3人が逮捕されたようですが、こうした事件が起きると必ず、少年たちを取り巻く環境(学校、家庭、地域)はどうであったか、少年法はいまのままでいいのかといった問題が議論されます。実際、今回の事件で自民党の稲田政調会長は、少年法の見直しを含めた検証が必要と語っています。しかし最近の少年事件をみると、「相手は誰でもよかった」とか「一度人を殺してみたかった」とか、信じられないような犯行の動機が語られます。今回の事件の主犯格の少年にしても普段はおとなしく優しいが、キレると手が付けられないほど狂暴になったと聞くと、単に環境とか少年法で片付く問題ではなく、もっと根本的な別の要因があるように私自身は感じます。
ミネラル不足ではアメリカの少年院で行った食事に関する実験調査から、5つのビタミンと4つのミネラル不足が狂暴性に関係していることに触れました。また、食品汚染では、かつて家庭のしつけの問題と捉えられていた最近の子供たちの落ち着きのない行動が、実はADHD(注意欠如症)という神経性疾患で、やはりビタミン・ミネラルの不足に加え、食品添加物や農薬、その他化学物質の摂取が疑われていることを記しました。最近の野菜は土壌の腐植(有機物)不足からビタミン・ミネラルが不足していると云われますが、そのうえに食品が高度に加工され、「高精白」、「高タンパク」、「高脂肪」、「高カロリー」、「高砂糖」の五高が進み、その結果としてビタミン・ミネラル・食物繊維が決定的に不足し、「現代型栄養失調」に陥っている人が多いと云います。畑には窒素・リン酸・カリの他にミネラルの補給が重要であり、私たちの「エコの環」野菜が栄養価が高くおいしいのは、生ごみからバランスの良いミネラルの補給があるからで、私たちがそれでもって身体と心の健康づくりを目指す所以でもあります。

 鈴木雅子;その食事ではキレる子になる、KAWADE夢新書、2001

2015年2月21日土曜日

料理教室

 京都府との協働事業”ちーたび”を来月の3/10(火)に実施します。今回は「エコの環」野菜を使った料理教室を開く予定です。時期的には野菜の端境期に当たりますが、講師にオーガニックレストラン、ビオラビットのオーナーシェフ対馬則昭氏を招き、そのときにある野菜を使って簡単に作れる、「ごはんバーグ」と「みやづの幸汁」を作りたいと考えています。どちらも昨年11月に行われた環境イベント「アースガーデンみやづ2014」で調理・販売したもので、対馬さんと私たちが考えたオリジナルな健康料理で、結構好評でした。
「ごはんバーグ」はもともと対馬さんが、野菜嫌いなお孫さんのために考えられたものですが、事前の調理・試食会で、ごはんに白米だけでなく玄米、雑穀などを混ぜると香ばしく、ピチピチ感があっておいしく食べられることが分かり、栄養価の高い料理になると考えています。一方の「みやづの幸汁」ですが、南フランスの漁師町で作られていた郷土料理に、雑魚やエビ、カニ、貝類を塩味でごった煮にした「ブイヤベース」という料理があります。フランス料理が「魚のごった煮」なら、こちらは「野菜のごった煮」を作ろうと、有り合わせの野菜をたっぷり入れたところに、皿あるいはどんぶりに取ったとき、魚も一口程度あるように身離れの良い魚を入れ、塩味だけでぐつぐつ煮たものです。アースガーデンみやづ2014のときは「さんきゅう」というフグ科の魚を使い、塩味には対馬さんが作って販売されている「サーディンソース」を使いました。野菜を水から煮立てると、お湯の温度が37~40℃くらいのとき、酵素の働きで野菜のでんぷん質が糖に変化すると云われ、野菜の甘みがすごく出て好評でした。そして野菜と魚に宮津産のものを使うことから、ある女性の発案で「みやづの幸汁」と命名し、販売したのでした。
 ちーたびの実施日時は3/10(火)の9:30~14:00で、宮津市・吉津地区公民館に集まった後、私たちの生ごみ処理法(宮津方式)と畑を見学し、その後に公民館で調理実習と料理の試食会、交流会を持つ予定です。参加費用は1人2,500円で、定員は15名です。参加をお待ちしています。なお、問い合わせ、申し込みはTel & Fax 0772-46-4943か、メール(いずれも松森)でお願いします。
toyomi55@beige.ocn.ne.jp

* 南雲吉則;空腹が生き方を教えてくれる、サンマーク出版、2013

2015年2月12日木曜日

”ピンと活き生き” 宮津ライフ

 私たちは生ごみの循環システム「エコの環」を、高齢者ビジネスに育てたいと頑張っています。日本の高齢者問題は非常に深刻で、2025年にはいわゆる団塊の世代が75歳を超えるようになり、そうなると要介護者・ヘルパーの急増(福祉需要の爆発)が大問題になると予想され、高齢者がよほどしっかり自助努力をして生きていかないと、日本は破たんしかねない状況にあるからです。* こうした考えから宮津市の市民組織「みやづ環の地域づくり推進ネットワーク」が行う、「”ピンと活き生き”宮津ライフ」にも部会長として協力しています。65歳以上の高齢者を対象とするその運動では、
 ①自助・共助で、ピンと元気に長生きする暮らし方
 ②旬の地元野菜を多く食べ、適度な運動による健康的な暮らし方
 ③エネルギーや資源を大切にした、持続可能な「少エネ」、「少資源」の暮らし方
 ④地元を元気に明るくする暮らし方
の4つの暮らし方を提案しています。①は先般閣議決定された来年度予算を見ても分かるように、総額96.3兆円の内、社会保障費(31.5兆円)と国債の償還・利払い(23.4兆円)だけで6割近くを占め、しかもこの2つで税収の54.5兆円を食ってしまいます。今後の高齢者の急増、生産世代の減少を考えると財政は破たんしかねず、私たち高齢者にもかなりの覚悟が求められるからです。②は健康に生きるための食生活の改善と、運動による体力の維持をお願いしています。③は地球温暖化による世界的な異常気象はもはや疑いもなく、エネルギーや資源の「省」ではなく「少」への協力をお願いし、いまごみとして捨てているものの資源化を積極的に進めていきたいと考えています。私たちが活用を進めている「生ごみ」も、燃やせば24円/kgの費用がかかりますが、野菜づくりに利用すれば240円/kgの付加価値が生まれるからです。④は高齢者が現役時代に身に付けた知識・経験・技術は地域の貴重な財産であり、それらを有効に活用して地域を元気にしてもらおうとするものです。そのまま活かすことはできないにしても、いろいろな活動面での応用は可能であり、地域の大きな力になることが期待されます。ただ先日、社会福祉協議会の方と話しをしていると、いろんな催しものに女性は積極的に参加してくれるが、男性はなかなか出てこず、引きこもりがちであるとのことでした。男性にはそれなりのプライドもあり、気持ちが分からないこともないのですが、「エコの環」を例に考えると、プチビジネス(小遣い稼ぎ程度のビジネス)としてなら男性を引っ張り出すことも可能かもしれず、今後いろんなプチビズを作っていきたいと考えています。
 ”ピンと活き生き”宮津ライフでは、以上の4つの暮らし方に対し40項目ほどの行動課目を掲げ、毎月それらが実施できているかを採点し、3か月経ったところで合計点を出し、20点につき1回の抽選を行って、当選者に地元の産品が当たる仕組みにしています。第1回の抽選会は昨年の12月に実施しましたが、残念ながら応募者はわずかに43人でした。私たちの周知の仕方に問題があった訳ですが、いろいろ聞くと20点に達しなかった人も結構いたようです。お陰で応募者には全員賞品が当たり、中には4つほど当てた人もいて応募者には大変喜んでもらいました。第2回目の運動はこの2月からスタートし、5月に抽選会を予定していますが、こうした活動により高齢者がピンと元気になり、積極的に地域活動に参加して生きがいを見出してくれることを願っています。

* 藻谷浩介:デフレの正体、角川ONEテーマ21、2011