へどろから見た持続可能な世界ー花粉症
花粉症の季節になりました。先日、テレビを見ていると、政府は花粉症対策としてスギ人工林の2割ほどを10年間で伐採し、跡地に無花粉、少花粉のスギ苗やスギ以外の木を植え、30年後に花粉発生量の半減を目指していると報道していました。花粉症対策のため、そこまでやるのかとびっくりさせられました。
前に免疫細胞には外敵を攻撃する役目のものと、これにブレーキをかける役目のTレグ(大阪大の坂口教授が発見)があり、腸内細菌のバランスが欠けるとTレグが不足して免疫細胞の暴走を許し、アレルギーにつながり易いことをお伝えしました。個人的には食事により腸内環境が改善され、Tレグを生み易い体質に変わったのではと考えています。
ある医師の話によると、インドネシアで感染症の調査を行っていたとき、現地の子供たちはウンチの流れる川で平気で遊んでおり、何度も注意したそうですが、よく観察してみると、誰もアトピーやぜん息などのアレルギー疾患にかかっておらず、日本の子供たちよりずっと元気なことに気付いたそうです。一方、北米に住むアーミッシュというドイツ系移民の宗教集団は、農耕や牧畜で自給自足の生活を営んでいるそうですが、アレルギー疾患が極端に少なく、その理由として幼少期から家畜と触れあう生活をしており、Tレグの多い体質であることが考えられるそうです。
私たちの口腔や皮膚、大腸などには膨大な数の常在菌が棲んでおり、好むと好まざるとに関わらず仲良く付き合っていかねばなりません。しかし清潔な生活を志向するあまり、抗菌剤や消毒液、石鹸などを多用するとこうした常在菌のバランスを崩し、免疫細胞の働きにも多大な影響を及ぼしかねません。花粉症の患者の割合も、花粉がよく飛ぶ山村より都会の方が多いそうです。スギ伐採もいいですが、Tレグを増やす研究にお金を使った方が意義があり、安上がりだと思うのですが。
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