へどろから見た持続可能な世界ー野菜は最高のクスリ
日が照ると私たちは布団や毛布、枕などを天日に干します。布団や毛布がふわふわになり、ダニやカビの殺菌になるからです。ではなぜダニやカビは死ぬのでしょう? 実は太陽の紫外線を浴びるとダニやカビの体内に活性酸素が発生し、それによって自滅するのです。活性酸素の威力はそれほどすごいのです。
私たちの体内でも呼吸により取り込む酸素の1~5%は活性酸素になり、それが老化の原因になっています。しかも強いストレスにさらされると活性酸素はさらに発生するようになります。交感神経が緊張状態(戦闘モード)になると、ケガなどで侵入する細菌、ウイルスから身を守るための防御機構が働くからです。では何が強いストレスになるかというと紫外線、放射線、化学物質(クスリ、農薬、食品添加物)、タバコ、お酒、排ガス、騒音、過激な運動、睡眠不足、精神的ストレスなどで、こうしたもので強いストレス状態に置かれると、身体は過剰の活性酸素によりボロボロにサビていくのです。
ではこの活性酸素を防ぐ手段はないのでしょうか? まずはリラックスすることが極めて大切ですが、旬の野菜を温野菜にして食べることが非常に効果的であるといわれます。野菜に含まれる抗酸化物質(ファイトケミカル)が丸ごと溶け出し、余剰の活性酸素を消去してくれるからです。
一方、野菜や果物を生のまま食べることも大切です。「酵素」を摂ることができるからです。酵素とは私たちの身体の中のあらゆる働きに関わっている「小人」のようなもので、体内で作られる量は年齢とともに少なくなるといわれます。したがってこの酵素を生野菜で補ってやれば小人の数が増え、身体はイキイキと元気に活動できるようになるのです。
いま野菜を病気予防に活用する動きが世界的広がりを見せ、米国の科学雑誌サイエンスも「野菜はすごい」という特集を組み、野菜を食べて病気を予防する”ファイト・セラピー”を提唱しているそうです。厚生労働省も健康維持のため、「一日に350グラム以上の野菜と200グラム以上の果物を摂ること」を推奨していますが、なかなかこの量を守ることは難しく、私は毎日、意識して具たくさん味噌汁、果物、サラダ、漬物などを食べるようにしています。野菜は最高のクスリだからです。