2019年3月30日土曜日

たんご地域力upサミット

 丹後地域で活動するNPO法人など諸団体が一堂に会し、日ごろの活動を紹介したり、ミニ体験、商品販売をするイベントが、野田川わーくぱるで行われました(3/24)。

 私たちもポスター、デモ機、サンプルなどを展示して、阿蘇海の環境を悪くしているへどろをゼオライトに転換したり、吸湿材に変えてやると、生ごみ循環システム「エコの環」を回したり、温暖化対策の「ヒートポンプ」が作れ、何の用途もない厄介者のへどろが、地域に利益をもたらす有用な資源になることを訴えました。


ブルーシー阿蘇のブース

濁りが沈殿した黒液
ブースに来てくれた人にはまず、ポスターとサンプルを使ってゼオライトの作り方を説明しました。へどろに苛性ソーダを加え鍋で3時間ほどグツグツ煮ると、微粒の土と真っ黒な液体になり、微粒の土を水で洗うと非常に性能の良いゼオライトが得られる。一方、真っ黒な液体は阿蘇海の海水を加えると濁りがきれいに沈殿し(右写真)、沈殿物を乾燥するとシリカゲル(乾燥材)が得られ、上水は問題となる不純物が無いのでそのまま海に捨てられることを説明すると、皆さん一様に「エーッ」とびっくりされていました。

 次に生ごみ処理のデモ機を使ってゼオライトによる生ごみの発酵処理法(宮津方式)を説明しました。発酵温度は60~70℃になり、魚の大きな頭も一日で消え、野菜も半分ほどが分解されることを説明すると、やはり皆さん一様にびっくりされていました。

 そしていまはこの生ごみ発酵肥料を使って無化学肥料・無農薬・無畜糞の野菜を露地栽培し、それを地域で販売したり、料理屋の料理に利用する「エコの環」を、高齢者ビジネスとして回していることを説明しました。ただ、「どこで販売しているの?」と聞かれても、いまは野菜栽培量が少なく固定客への宅配がほとんどのため、答えに窮するのが非常に残念でした。

 次にへどろを乾燥して吸湿材にすると、ヒートポンプ(熱を移送するポンプ)が作れることをデモ機を使って説明しました。時期的に寒く、水の蒸気圧が小さいのと、水の入った容器とへどろの入った容器との間のホース内に蒸気が結露しやすく、実験の条件としては最悪の状態で、ホースを電気ヒーターで加熱しながら実験を行いました。そんなことから実験が上手くいくときとそうでないときがありましたが、温度計で水温がみるみる下がるのが認められたときは、「エー、なんで?」とまた驚いておられました。

 当日は寒く、またイベント自体があまり周知されておらず、来場者が非常に少なかったのが残念でした。私たちのブースも訪問者は20人程度でした。

 今回の活動紹介ではSDGsと関連付けた説明も行いましたが、訪問者の3人に1人はSDGsを知っておられ、それにはこちらもびっくりしました。そして「すばらしい」、「こういった取り上げ方をするんだ」と評価してもらえたのが非常に嬉しかったです。

 また、今回のイベントでは私たちの発酵肥料を10袋、スタンプラリーの引換え景品として提供しました。最初は果たして喜んでもらえるか不安でしたが、もらった人の多くがわざわざ「もらったよ」と嬉しそうに報告に来てくれ、景品も全部がなくなっていました。宮津方式を理解し、「エコの環」の考え方に賛同してもらえたのかなと嬉しく思いました。
 


2019年3月18日月曜日

3回目のイベント

 たんご地域力up大作戦スタンプラリーの三回目のイベントを3/16に実施しました。今回も事前の申込者が少なく心配しましたが、直前にバタバタと申し込みがあり、9人の参加者のもと実施することができました。

 内容はこれまでと同様に、まずスライドを使って高齢者事業「エコの環」と開発中のヒートポンプについて説明し、そのなかで熊本大の前田浩名誉教授お勧めの野菜スープと、また、SDGs(エスディージーズ)についてお話ししました。

 SDGsについては今回もほとんどの方が知らないと言っておられました。国連による取組みが始まったのは2016年ですが、日本ではマスコミの扱いがまだ非常に少なく、当然の認知度なのかもしれません。

 しかし世界では地球温暖化対策への動きが鈍い国際社会に対し、100か国以上の国で若者を中心に数十万人が参加する抗議デモが行われました(3/15)。

 この抗議デモのきっかけとなったのは昨年の夏、スウェーデンのある女子高校生がたった一人で始めた「学校ストライキ」です。彼女は「大人は2050年より先なんて考えていない。しかしそのとき私はまだ人生の半分しか生きていない」と温暖化の危機を訴え、学校の授業をボイコットしたのです。彼女の行動はSNSを通じて多くの若者に広がり、昨年の暮れあたりから欧州各地で学校ストライキが活発になり、それが今回の世界的抗議活動につながったといいます。SDGsへの動きは自らの将来に危機意識を持つ若者を中心に、これから一気に活発化してくるのかもしれません。私たちも頑張らねばと意を強くしたところです。

 スライド説明のあと皆さんをたい肥小屋に案内し、生ごみの発酵処理法(宮津方式)を見学してもらいました。トラクターの耕うん爪を利用した生ごみ撹拌羽根のモーターによる回転、また、処理箱の反転などが、皆さんには予想以上の方法に映ったようです。そして魚の大きな頭も一日で消え、いっぱい入れた野菜屑も一日で半分以上が消えてしまうことを話すとびっくりしておられました。

 たい肥小屋見学の後は全員で”すゞ菜”に向かいました。

 すゞ菜で最初に出てきたのは小鉢に入った数種類の野菜の合わせ煮でした。ブルーシー阿蘇の活動紹介の中に、「野菜スープ」の話が出ることを知っていた女将が気を利かせ、自慢のダシだけで煮物を作ってくれたのでした。お蔭で調味料なしでも、ダシと野菜の旨味成分だけでおいしく頂けることを皆さんに分かってもらうことができました。こうした野菜の煮物(又はスープ)を一日に1~2回食べれば、がんをはじめ生活習慣病、アトピー、白内障、シミなどの最強の対策になるというのですから、非常にありがたい話です。これからもぜひ多くの人に伝えていきたいと考えます。

 その後に出てきた料理はいつもながら調理法、味付けが繊細で、今回も多くの人が関心を示し、いろいろ質問し、それ等に対する女将の説明を聞きながら食事を堪能することができました。 

 
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3月24日(日)、野田川わーくぱるにおいて「たんご地域力UPサミット」が行われます(10時~16時)。丹後地域の多くのNPOなど諸団体が集まり、活動紹介を行います。皆さまのご参加をお待ちしています。スタンプラリーで集めたスタンプで素敵なプレゼントがもらえます。