へどろから見た持続可能な世界ー遠方からの来訪
滋賀県の東近江市で、生ごみ発酵処理の普及活動を行っておられる方々が、私達の生ごみ処理法を見学に来られました。私たちはいま「夏原グラント」(平和堂財団)から助成金を頂き、生ごみ処理機の改善を進めていますが、その関係で私たちの活動を知られたようです。
お話を聞くと、彼らの生ごみ処理法はヤシがらチップとモミがら燻炭を基材に、段ボール箱を使って行うもので、私たちとは全く違う方法のようでした。段ボール箱では発酵時に発生する蒸気で箱が持たないのでは、と思いましたが、箱は二重にしたものを使い、生ごみの分解反応は大体3か月すると進まなくなるので、そのときに新しい箱に交換するので問題ないようでした。彼らが東近江市で活動を始めると、聞きつけた市役所の人が直ぐにやってきて、いろいろ普及活動のサポートをしてくれたとか。1,500円のコンポストセットに1,000円の補助金を出してくれるのもその一つで、我々からすると非常にうらやましい話でした。
私たちが行う「宮津方式」は、発酵材にゼオライトを、処理機に回転式のものを使う極めてユニークなものです。
ゼオライトを使う理由は、生ごみを分解する土壌微生物が棲みやすいのと、生ごみ分解時に発生するアンモニアとかカリウムなどの肥料成分を吸着し、その揮散や雨などによる流失を抑えてくれるからです。
回転式処理機を使う理由は、かき混ぜが難しい内容物の底の方を、回転させて上に持ってくることでかき混ぜをしやすくするためです。処理機には固定式じゃま板が付いており、処理機を回転させると自ずと内容物がかき混ぜられる仕組みにもなっています。処理機の蓋にはまた多くの穴が開けてあり、醗酵時に大量に発生する蒸気を底蓋から侵入する空気が追い出すことで、内容物が濡れるのを抑え、作業環境、作業効率を著しく改善する仕掛けにもなっています。
こうした私たち独自の処理法は、「非常にいい勉強になった」と喜んで頂きました。
いま生ごみは全国的に焼却処理されていますが、生ごみを価値のあるものとして有効に活かし、お互いに地域の活性化や温暖化対策に貢献していくことを誓い合いました。