へどろから見た持続可能な世界ー健康寿命
日本は平均寿命で世界一の長寿国を誇っていますが、介護を受けず自立して元気に生活できる健康寿命は、それより10年ほど短かいことを以前にお伝えしました。
先日のテレビ報道によると、いま世界ではこの健康寿命を延ばそうと、賞金レースを含めて熾烈な戦いが繰り広げられているそうです。その背景には世界的に進む高齢化の問題があるようです。
研究には3つの分野があるそうです。その1つは「老化細胞」を取り除くものです。私たちの体内で細胞は常に分裂を繰り返していますが、分裂が止まり活動を停止したのが老化細胞です。年齢と共に体内に蓄積され、それが分泌する炎症性物質はがんや動脈硬化、シワなど、加齢性の疾患や症状の原因になるそうです。
老化細胞 |
ハダカデバネズミの寿命は40年ほどで、ハツカネズミの2~3年に比べ異例的に長寿だそうです。これは老化細胞を自動的に消滅させる機能を持っているからで、このハダカデバネズミの機能を老化細胞の除去に応用しようとするのが1つ目の研究です。
2つ目はビタミンに似た「NMN」という物質を使って老化を遅らせようとする研究です。NMNはもともとあらゆる生物の体内に存在するそうですが、加齢と共にその量が減少し臓器の機能低下につながるため、人為的に補充して臓器の機能を回復させ、老化を抑えようとするものです。マウスに与えると高齢になっても活動が衰えず、アメリカではサプリメントの商品化がすでに進められているそうです。
3つ目は細胞を再活性化させる研究です。6年前に作られたスタートアップ企業が開発した薬を、マウスに移植したヒトの皮膚細胞に投与すると、52歳の皮膚が32歳ほどの皮膚に若返ったそうです。
健康寿命を延ばすことは人類の夢です。しかし一方で平均寿命もまた延び、イタチごっこになるような気もします。
健康寿命の長い百寿者を調べると、①認知機能が高い、②心臓・腎臓など循環器系の老化が遅い、③フレイル(歩く機能の衰え)になりにくいという共通点があり、この3つが健康長寿の秘訣だそうです。これらは遺伝というよりほとんど生活習慣に基づくもので、日ごろの食事、運動、そして他人との会話が大切なようです。
1日350グラム以上の野菜摂取を生活習慣にしましょう。
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