2019年7月7日日曜日

プラスチックごみーその2

 いま私たちはごく普通に生活していても、毎日毎日、大量のプラスチックごみを排出していて、それが回りまわって海に流れ出し、G20の主要テーマになるほどの大問題になっています。それは私たちが快適な生活のためにエネルギーを使いすぎ、異常気象という大きな難題を抱え込むようになったのと、構図は全く同じです。

 私も食事で魚を、それも丸ごと食べられる小魚をよく買って食べますが、買うときについ、その魚の周りにプカプカ浮かぶプラスチックごみを想像したりすると、どうしようか迷ってしまいます。海に浮かぶプラスチックは紫外線と波浪によって、顕微鏡でしか見えないほどの微粒(マイクロプラスチック)にまで砕け、小魚でも簡単に飲み込めるからです。

マイクロプラスチックの一部

 先日の新聞に、京都大学で国連の「SDGs(持続可能な開発目標)について考えるシンポジウム」が開かれ、プラスティック削減に向けて「京都大学プラヘラス宣言」を発表したという記事がありました。

 宣言はプラスチック製品を、「いる」、「いらない」、「避けられる」、「避けられない」の4つの視点から分類し、「いらなくて避けられる」は積極的に削減し、「いるが避けられる」は一人一人の意識や行動を変えていくことで減らし、「避けられない」ものは規制や技術開発による代替を進めることを謳っているそうです。
 
面白い分類法であり、いま私たちが使っている「エコの環」野菜のプラスチック袋について考えてみました。私たちもこれまで何かいい代替はないか相談し、新聞紙を考えたりしていたからです。しかし野菜は鮮度が重要であり、それを保つためにはプラスチック袋はどうしても必要であり、冷蔵庫で保管するにしてもあった方がよく、一方、新聞紙では乾きやすく、鮮度を保つためには新聞紙を濡らしておく必要があります。

 つまり分類では「いる」、「避けられない」になり、前回も述べたように、植物由来のバイオプラスチックが早期に安く、供されるようになることを願うばかりです。とはいえ、何かできることはないかを考えるとき、お客さんからプラスチック袋を回収し、洗浄して再使用することならできそうです。これにはお客さんの協力も必要であり、出来るところから試していきたいと考えています。

 
 海洋汚染につながる汚れたプラスティックごみの輸出入については、有害な廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の規制対象に、新たに加えられることが決まりました(5月)。この改正案は日本がノルウェーと共同提出したものです。引き続くG20でも、日本は議長国として「海洋プラスチックごみ」を主要テーマに掲げ、その責任を果たすべく努力しました。プラスチック大国に住む私たちの責任も、これからさらに大きくなったといえます。