シミュレーション
阿蘇海のへどろにすばらしい吸湿/放湿特性があり、蒸気吸着式ヒートポンプ(水蒸気を利用する熱の汲出しポンプ)を作ることが可能なことは、これまでにもなんどか触れてきました。水を高温な場所に置くと蒸発して、1グラム当たり600カロリーという大きな熱を奪います。火に水をかけると鎮火するのは水がこの大きな熱を奪うからです。この水蒸気をへどろに吸着させ、その大きな熱を冷却水で回収することで、例えば太陽光にさらされ高温となった屋根の熱をお湯として回収し、同時に室内温度を下げようとするのが「へどろヒートポンプ」の考え方です。これまでに基礎的な実験はほぼ終了し、実用化の実験を進める段階にあるのですが費用がかさむため、なかなか実験に移れず悶々としていました。そんなとき府立海洋高校の生徒さんたちに講義をする機会があり、その折、学習の教材用にと思い切って装置を学校に預けることにしました。そして先生に使い方を理解していただくため、2度ほど実験を計画したのですが、1回目は装置に破損が見つかり、2回目は急に激しい雨に見舞われ実験ができず、やっと先日、3度目の正直で実験を行うことができました。しかしその日はあいにくの曇天で条件的には最悪でしたが、目的は実験方法を伝えることだったので、まずは実験をすることで何とか実験の要領を理解してもらうことができました。
ところでパソコンのソフトにエクセルという計算用ソフトがあります。データをインプットするといろんな計算が簡単にでき、またそれをグラフにしたりできます。このエクセルには計算式(関数)などもインプットでき、複雑な計算式でも簡単に計算してグラフ化できます。右下の図は3次式をグラフにしたものです。