身体を温めるなべ料理
”昭和40年頃の味探訪シリーズ” 第3弾として、ちーたび「身体を温めるなべ料理」を行いました(1/29)。定員8名のところに13名の応募があり、最終的に11名の方に参加して頂きましたが、うれしい悲鳴でとても有難く思いました。
最初にゲストの青木伸代氏(丹後アレルギーを考える会代表)より、以下のお話をしてもらいました。
日本の食生活は高度成長期を経て大きく変わり、わずか40年間の激変に消化吸収という身体の仕組みがついて行けず、その悲鳴が生活習慣病という形で表れている。食生活だけでなく、「衣食住」のすべてが大きく変わり、化学物質過敏症、電磁波過敏症なども増えている。そこでこうした激変が起きる前はどんな食事をしていたかを知るため、昭和40年頃に立ち返るちーたびを行っている。今回は3回目でなべ料理を取り上げた。生活習慣病の予防には野菜を1日に350グラム以上摂取することと、減塩が大切といわれる。なべ料理の調理実習のなかで、350グラムがどれくらいの量か実感してほしい。また、塩はナトリウム(Na)というとらえ方が大切で、化学調味料や食品添加物の漂白剤、保存料、酸化防止剤などに含まれるナトリウムをそのままにして、減塩ばかりを行っても意味がない。野菜にはカリウムが多く含まれ、野菜を多く食べると体内のナトリウムを追い出してくれる減塩効果もある。
ゲストのお話 |
次に私の方から、なぜ身体を温める必要があるのかについてお話をしました。
東京オリンピック以前、日本人の平均体温は36.5~37.2度あったと推定される。しかし最近は35度台の低体温の人が増えている。高度成長に伴う生活の激変で、①ストレスの増加(血管収縮による血流の悪化)、②運動不足(体温を作る筋肉の減少)、③体を冷やす食べ物の増加(冬に夏野菜やアイスクリーム)、④冷房依存(産熱機能の低下)、⑤シャワー入浴(身体の芯が温まらない)、⑥必要以上の水分摂取(水分は身体を冷やす)などが原因といわれる。身体は解糖系とミトコンドリア系、二つのエンジン(ハイブリッドエンジン)を使ってエネルギーを作っているが、低体温、酸素不足の状態になると、エネルギー産生効率の良いミトコンドリアの働きが悪くなり、効率の悪い解糖系依存となり、それが糖尿病、がんをはじめ、あらゆる病気の引き金になるといわれる。特にがん細胞は35度ほどの低体温で最も増殖するといわれるので、身体を冷やさないことが非常に大切である。こうした理由から身体を温めるのに最適な、日本固有の「なべ料理」をテーマに選んだ。
大根、人参のピーリング |
この後、すゞ菜の女将、小西美鈴さんの指導でなべ料理の具材作りに取り掛かりました。ネギ、白菜の切り方を習った後、大根、人参はすべてピーリングして具材にしました。こうした食べ方はほとんどの人が初めてで、またブロッコリー、菜花などの具材も珍しく、皆さん大変驚いておられました。たんぱく源にはいしもちのすり身で「つみれ」を作りましたが、原料がひき肉なら「つくね」と呼ぶことを教わりました。なべ料理のタレは小西さんが作ってこられ、実習は行いませんでしたが、その作り方には皆さんの関心が強く、小西さんもその作り方をダシづくりの裏ワザを含めて説明され、皆さん熱心に耳を傾けておられました。
なべ料理は二つのなべを全員が囲み頂きました。あったかくておいしく、皆さんほっぺを赤くして会話も弾み、座が一気に和みました。なべ料理の後には雑炊を作りました。野菜の甘みがたっぷりで塩を加えましたが、改めて「エコの環」野菜の甘いことが分かりました。雑炊は炊いたご飯を水で洗ってぬめりを取り、なべに入れましたが、味がサッパリしてお茶漬けを食べる感じでした。ご飯を洗わない場合は「おじや」と呼ぶのだそうです。
ジャガ餅づくり |
デザートがわりにジャガ餅も作りました。ゆでて潰したジャガイモに片栗粉をまぶしかき混ぜると、餅状のものになります。お米アレルギーのある人に喜ばれるそうです。噛みごたえは少しもの足りませんが、おいしく頂くことができました。
参加者からは
・学ぶことが多く、非常に楽しかった、また参加したい。
・野菜350グラムは決して多い量でなく、健康のため頑張って食べたい。
・へどろからゼオライトが作れ、それで生ごみの再利用ができるなんてびっくりです。
などといった声が聞かれ、大きな力を頂くことができました。引き続きこのシリーズを続けていきたいと考えているところです。
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