2016年10月4日火曜日

身体のひずみ

 2週間ほど前、突然目まいがして吐き気を催しました。経験したことのないことでびっくりすると同時に、「何だろう?」と不安な気もちで倒れ込むように横になりました。そのとき家内が身体をさすってくれましたが、そうした中で肩が非常に凝っていることが分かり、整骨院に出かけました。整骨院は腰痛で2度ほど行ったことがありますが、肩こりでは初めてのことでした。診断は「首がストレートネックになっており、その影響で首と肩がかなり凝っている」とのことでした。ストレートネックとはパソコンなどで長時間同じ姿勢を取っていると、首の反り(クッション)が無くなり、それが首や肩に負担(ひずみ)を与え、凝りを起こすのだそうです。首を揉んでもらうと目にジンジンと痛みが走り、相当凝っているのが感じられました。結局、長時間身体に同じひずみ(ストレス)を与えることで血流が阻害され、それが目まい、吐き気につながったと考えられました。改めてリラックス(身体のひずみの解放)の大切さを実感しました。

 そんなときある本で、食事でも「偏食」は内臓に大きなストレス(ひずみ)を与えることを知りました。内臓による食べ物の消化・吸収には非常に細かい役割分担があり、バランスの良い食事の場合は消化・吸収するのに内臓全体が均等に使われ、身体への負担は小さいのですが、偏食の場合は一部の吸収機構しか利用されず、負荷のかかる内臓に大きなストレスがかかり、利用されない吸収機構は退化するため、身体にひずみが溜まっていくのだそうです。

 ところでいま日本ではサプリメントが大流行で、市場規模は1兆5000億円にもなるそうです。本来は食事からとるべき栄養が、サプリメントで手っ取り早く補えると考えるからだと思います。しかし例えばナッツ類に多いビタミンEの場合、その吸収にはナッツに含まれる良質な脂肪が必要不可欠であり、ビタミンEだけを飲んでもほとんど吸収されないといいます。だからサプリメントでビタミンEを摂るよりアーモンドを食べる方がずっとよく、こうしたことはすべての栄養に言えることだそうです。つまり食事から栄養を摂る方がはるかに効率的なのです。そんなサプリメントに対しサプリメント先進国のアメリカで、ある大学の研究チームが12年間にも及ぶ追跡調査より、「サプリメントに健康効果はなく、十分な栄養を摂っている人にはむしろ害になる可能性がある」と発表し、物議をかもしているそうです。しかし考えてみればサプリメントは「偏食」の最たるものであり、薬の副作用と同じで、身体にストレスを与えないと考える方がおかしいかも知れません。

 コカの葉は南米では古くからお茶として飲まれています。しかしそれを精製するとコカインという麻薬になります。つまり不純物を取り除き純度を高めることは、身体にとって相当なストレス(ひずみ)を与える物質に変わることが考えられます。その意味では純度99.9%以上の食塩、あるいはグラニュー糖などもそうした危険性があるといえます。ある本に、食塩を得るとき取り除くミネラル量は、他の食品から得られるミネラル量よりはるかに少なく、高純度の食塩を使うことに何ら問題はないとありました。しかし私自身は自然塩の方が不純物のミネラル分が一種の「オブラート」として働き、身体へのストレスを和らげてくれるように思うのですが、どうでしょうか。

都築 毅;昭和50年の食事で、その腹は引っ込む、講談社+α新書(2015)

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