2022年10月7日金曜日

へどろから見た持続可能な世界ーライオンに学ぶ

 アフリカの大草原に棲む野生のライオンは、獲物を捕らえて食べ終えると、8日間ほど絶食するそうです。日本のある動物園では飼っているライオンが短命で困っていたとき、野生のライオンの習性に倣い、餌を与えたら8日間ほど絶食させることを繰り返してみたそうです。するとライオンの寿命が大変延びたといいます。

 私たちは毎日三度、空腹を感じなくても決まったように食事をします。しかしいまの高カロリーな食事では、それは特に中高年にとって食べすぎになるのだそうです。過食はメタボにつながるだけでなく、腸の消化活動がうまくいかず、腸内で腐敗が起き、悪玉細菌を増やしてしまうのだそうです。近年、腸は単なる消化器官だけでなく、私たちの免疫の80%をつかさどる強力な免疫器官であることがわかってきました。腸の不調は免疫機能の不活性化を招き、慢性病の引き金になるのです。ライオンに倣う必要はありませんが、食事を控えることは非常に大切なようです


 野生のライオンはまた、肉食動物を襲わないし、万一けんかをして殺しても肉食動物は絶対に食べないそうです。ヒョウ、チータ、トラといった他の肉食動物も、草食動物しか襲わないし食べないそうです。そして食べるときはまず内臓の中の消化しかかった草から食べ、その後に肉を食べるそうです。腸内で消化された草は発酵していておいしく、しかも酵素や食物繊維が多いからで、肉食動物といっても実は草食にきわめて近いのだそうです。

獲物を襲うライオン

 ライオンが獲物から摂取する酵素とは、私たちが生きていくうえで必要な体内の様々な化学反応(消化、組織の再生、解毒、排せつ、エネルギーの産生、免疫、運動、睡眠、思考など)(代謝と呼ぶ)を効率よく進めてくれるたんぱく質で、体内で作られます。しかしその一日の生産量は決まっていて、消化に酵素を使いすぎると他の代謝にまわす酵素が不足し、身体に負担がかかって病気を招きます。だから食事を控えることは健康で長生きする上で極めて大切なのです。また、酵素を食べ物から補給することも大切で、その一例はエリザベス女王も行っていた野菜、果物から摂取するヴィーガン食で、欧米のセレブは多くが行っているようです


*鶴見隆史;3days 断食、評言社(2021)



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