2021年11月5日金曜日

へどろから見た持続可能な世界ー有機農業

  英国グラスゴーで気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が始まりました。パリ協定の「2未満、できれば1.5に抑える」を達成するため、各国は温室効果ガスの削減目標を提出することになっていますが、残念ながらこれまでに提出された削減目標では、今世紀末の世界の平均気温は2.7上昇すると予測され、会議では更なる上積みが大きな焦点になりそうです。因みに産業革命前から1上昇した現在は、「10年に1度」という大規模な自然災害の起きる確率が2倍になったといわれます。

一方、生物多様性条約の締約国会議(COP15)が先月、中国でオンラインで実施されました。同じCOPでも気候変動枠組み条約に比べると地味ですが、こちらも非常に重要な会議といえます。いま地球上に生存する約800万種の動植物のうちの約100万種が、絶滅の危機にあるといわれるからです。象、トラ、ゴリラ、パンダ、コアラなど、動物園でなじみの深いこれらの動物はどれも絶滅危惧種なのだそうです。そしてその主な原因は農業にあるといわれます。

 農地や放牧のためにいまでも焼き畑や森林の伐採が大規模に行われ、動植物の生息地を奪っているからです。その行為はCO2の吸収に大きなダメージを与え、温暖化促進の原因にもなっています。また、農薬や化学肥料を使った農業では土壌微生物や小動物が消滅し、生態系ピラミッドの土台を揺るがせています。そして貴重な土壌の流失や砂漠化を引き起こしています。それはやがてピラミッドの頂点に立つ人間に跳ね返ってくるでしょう。新型コロナやエボラ出血熱、鳥インフルエンザなどの感染症も、人間による生態系のかく乱が一因といわれています。

  こうした中、いま農薬や化学肥料に頼らない、有機物施用による農業が注目されています。日本の有機農業の全耕作面積に占める割合はわずか0.5%だそうですが、農水省はこれを50年までに25%に拡大し、農薬のリスクを50%、化学肥料の使用を30%減らす目標を掲げました。欧州では有機農地がすでに10%を超える国が多く、安心・安全な野菜づくりと生物多様性の両立を目指しているそうです。

私たちも生ごみ施用による野菜作りを行っていますが、有機栽培は非常に手間がかかり、できる農産物も高価格になるため、それが普及を難しくしています。消費者の理解と支えが大切といえます。


私たちも生ごみ施用による野菜作りを行っていますが、有機野菜は手間がかかり高コスト

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム