2016年2月23日火曜日

アレルギー

 いま日本人の3人に1人は「花粉症」、「アレルギー性鼻炎」、「アトピー性皮膚炎」などのアレルギーを持っているそうです。ただその発症メカニズムはよく分かっておらず、環境や生活習慣によって免疫システムのバランスが崩れるとアレルギーを発症するらしく、「免疫バランス」を整えることがポイントのようです。その免疫バランスを整えるのにある種の乳酸菌がよいということで、最近ヨーグルトの宣伝がよく行われたりしています。
ちーたびのチラシ
ある本*で読んだのですが、アトピー性皮膚炎に悩む赤ちゃんの40%の便には、大腸菌が全く見つからなかったそうです。赤ちゃんや小さい子供はすぐにアチコチをなめたりしますが、それは腸内に大腸菌を取り込もうとしているのであり、そのときに「バッチイ」といってそうした行為をさせないと、免疫力が付かないのだそうです。パンダは生まれるとすぐに周りの土や母親のウンチをなめるそうですが、それによってササを消化する酵素が腸に取り込まれるのだそうです。私たちの腸には500種類以上の腸内細菌が100兆個以上生息するといわれますが、すべてが善玉菌であってもだめで、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7くらいのバランスが一番よく、悪玉菌の存在も必要なのです。つまり腸内細菌の上記バランスが免疫バランスのカギを握っているのであり、その意味で整腸に効果のあるヨーグルトが免疫バランスを整えるのによいのかもしれません。いずれにしてもいま私たちの住む便利で清潔で快適な文明社会は、一方で消毒、抗菌、密閉が過度に進み、私たちの身の回りで私たちを守ってくれる「常在菌」をすっかり排除してしまい、それが腸内細菌の構成バランスを悪くし、アトピーなどのアレルギー疾患を引き起こす原因になっているのかもしれません。先ほどの本によると、インドネシアのカリマンタン島の子供たちはウンチの流れる川で遊び、全員が回虫をお腹にもっているそうですが、アトピーやぜん息、花粉症などに苦しむ子供はなく、そうした生活環境が自然と腸内細菌の構成バランスを良くし、免疫バランスをうまく整えているのかもしれません。私たちが子供のころは「検便」といって回虫検査をよくさせられましたが、当時は花粉症とかアトピー性皮膚炎といった話はほとんど聞いたことがなく、あまりに清潔に過ごすのも問題といえます。
 ところで現代社会にはもう一つ大きな問題があります。私たちは常に食品添加物や残留農薬の多い食品、飲み薬、排気ガスやたばこの煙、仕事・人間関係の大きなストレス、電化製品からの電磁波、紫外線や放射線などに曝され、それが体内で活性酸素を多量に発生させ、腸内細菌のバランスを崩す大きな原因になっているのです。住みよい快適な生活が却って住みづらい生活にしてしまっているのであり、ほどほどに不便を楽しむ生活がよいのかもしれません。
 さて来月の3/26(土)、9:30~14:00に、青木伸代氏(丹後アレルギーを考える会代表)を講師にお招きして、ちーたび「アレルギーから学ぶ食生活」を開催します。場所;吉津地区公民館、参加費;1,200円、定員;10名です。参加をお待ちしています。

* 藤田紘一郎:脳はバカ、腸はかしこい、三五館(2013)


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