2014年12月12日金曜日

アミノ酸(つづき)

 私たちの身体はご存じのように主にタンパク質から作られています。タンパク質は22種類のアミノ酸がさまざまに結合して作られますが、アミノ酸そのものはほとんどが体内で必要に応じて作られます。しかし体内で合成できないものが8種類あり、それらは必須アミノ酸として体外から補ってやる必要があります。ところでいまほとんどの加工食品に添加されている化学調味料(アミノ酸)ですが、これは必須アミノ酸ではありません。したがってあえて摂る必要はないのですが、「うま味」成分として、また、悪く言えば「依存症」にするために添加されます。一度、化学調味料の味に慣れると止められなくなるからです。ラーメン屋の前に行列ができたり、スナック菓子が止められないのも、依存症によるところが大きいのです。

加工食品の原材料表示
日本で開発されたこの化学調味料アミノ酸ですが、あるアンケート調査によると、化学調味料を使っている家庭とそうでない家庭を比較すると、前者の家庭の子供たちに「いつもイライラする」、「カーとなりやすい」などの傾向が強く見られるといいます。化学調味料には神経興奮毒性があるためで、脳や神経系に深く静かに影響を与える傾向があり、特に脳を保護する「脳関門」(脳に必要な物質以外は到達しないようにブロックする障壁)が十分に発達していない3歳未満の幼児では、脳に異常を起こす恐れがあると云います。アメリカでは「中華料理店症候群」といって、化学調味料を多用する中華料理レストランで、特に女性や酒の弱い人たちに料理を食べた数十分後に、後頭部や手足のしびれ、顔面の灼熱感、目まい、吐き気、動悸などを訴える人々が続出し、その安全性が疑問視されるようになりました。そしてその後の研究から化学調味料の過剰摂取に警告が出され、ベビーフードには使用禁止令が出されました。また、妊婦が化学調味料を多量摂取すると、母体のグルタミン酸が胎児に移行して死亡率が高くなったり、先天性奇形が発生しやすくなるともいわれ、老人や幼児でショック死を起こした例もあるといいますから、あまり気軽に摂取するべきものとは思われません。
 化学調味料を加熱した実験では「変異原性」といって、細胞に突然変異を起こさせる作用が現れ、特に油などと一緒に加熱するとそうした作用が一層強く現れるといいます。つまり肉に化学調味料入りのタレやソースを塗って焼いたり、化学調味料入りのものを油で炒めたり揚げたりすると、強い発がん性物質が生まれやすくなるというのです。化学調味料入りのスナック菓子には油で揚げたものが多く、だから子どもに多く与えることには注意が必要といえます。
 一方で化学調味料のグルタミン酸ナトリウムは、食塩と同じナトリウム成分を含んでいます。しかし塩辛さを感じさせないので、同時に醤油を使ったりすると知らぬ間に塩分の取り過ぎになるので、その点でも注意が必要です。いずれにしても私たちの身体の元となる料理は、化学調味料によるごまかしの味ではなく、本来の「出汁」を使った味を楽しみながら食べたいものです。


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