2014年10月5日日曜日

アミノ酸

 前回、調味料のアミノ酸について少し触れました。いま私たちが買う食品には生鮮食品以外、ほとんどのものに食品添加物が入っていて、なかでも「調味料(アミノ酸)」とか「調味料(アミノ酸等)」は非常によく見かける化学物質です。これらは食品が持つ本来の味を活かすというより、化学物質により濃厚な味付けをする為に入っています。その方が生産者にとって生産コストが格段に安く抑えられ、しかも消費者を中毒にしてその商品のリピーターを作ることができるからです。中学生の時、放課後に学級行事で残っていると、担任で理科の先生が数種類の化学薬品を持ってきて、目の前で黄色いオレンジジュースを作ってくれたことがあります。薬品だけでおいしいジュースが作れることにビックりしたことを覚えていますが、いま販売されている加工食品、行列のできるレストランなどのほとんどでは、こうした化学薬品調合による味付けが行われているわけです。
化学調味料のそもそもは、1907年に池田菊苗が昆布のうまみはグルタミン酸であることを発見したことに始まります。私たちの舌には味蕾という味覚器があり、甘味、酸味、塩味、苦味などの味を感じ分けることができますが、グルタミン酸の発見以来、それらに第五の味として「旨味」が加わりました。化学調味料の生産・販売を始めた味の素㈱も、当初は昆布を煮出して結晶化させ、それを販売していたようですが、しかしそれでは40キログラムの昆布からわずか30グラム程度の調味料しか得られないため、グルタミン酸ナトリウムを工業的に大量生産する方式に切り替えたようです。グルタミン酸は20種類ほどあるアミノ酸の一種で、タンパク質を加水分解すれば簡単に作れるからです。実際に高校の理科の授業でも、タンパク質である髪の毛からアミノ酸を作る実験が行われたりしますが、中国では髪の毛から作ったアミノ酸を原料に、醤油の製造販売も行なわれているようです。また、グルタミン酸ナトリウムを石油から合成することも可能であり、味の素㈱でも石油からの合成も行なっていたようです。しかし工業的に生産を行う場合は何を原料にするか、どういった工程で生産するかが大きな問題になります。どんな製品も生産過程で不純物の混入は避けられず、不純物の毒性などをよく調べる必要があるのですが、不純物が微量になればなるほどそうしたことへの注意が、無視されがちになるからです。髪の毛といえば気分的にもよくありませんが、それ以上に髪の毛には体内に入った有害物質(水銀など)が排泄物として含まれており、アミノ酸の入った安い食品には特に注意が必要です。調味料(アミノ酸)と記載されている場合は、グルタミン酸ナトリウムだけが添加され、調味料(アミノ酸等)と記載されている場合は、核酸とかコハク酸などアミノ酸以外の旨み成分がさらに配合され、カツオ味とかシジミ味、ウニ味などが思いのままに作られます。こうした濃厚な味のもとでは塩味を出すのに、塩分もかなり高め入っているといいます。私の舌はかなり鈍感ですが家内の舌は敏感で、アミノ酸が入っていると「ウッ」と吐き出したりします。味がしつこくて飲み込めず後に残るのだそうです。化学調味料の有害性についてはいろいろ取りざたされており、なんとかこうしたものに頼らない暮らしができないものかと考えますが、それには時代に逆行して「不便を楽しむ」ような風潮でも広まらないと、なかなか難しいのかも知れません。

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