2020年3月16日月曜日

コロナウィルス(2)

 新型コロナウィルスの感染拡大が中国で収まったと思ったら、ヨーロッパ、アメリカに飛び火し、そして全世界に拡大し、パニックを引き起こしています。世界経済への打撃も深刻で、この先一体どうなるのかと思うと、恐ろしくなります。

 今回の感染拡大で見えてきたことは、グローバル化が想像以上に進んでいるということです。中国の工場が止まると日本を始め世界の工場も止まってしまうほど、生産・流通システムがグローバル化され、人の往来も激しく、それだけ経済への影響も大きくなっているのです。おかげでマスクなどはほとんど中国に依存しているため、いくら日本で増産しても簡単には手に入らず、また、観光業などは外国からのお客が減るとたちまち立ち行かなくなる状況になっています。

 自由経済というのは本来は物量的にもエネルギー的にもコスト(使用量)を最も小さく抑え、環境にも優しいハズのものです。しかしグローバル化により安い人件費で大量生産してさらなるコスト低減を図るうちに、いつのまにか環境とは相容れないものになってしまっているように感じます。


 右の図はNASAが公開した最近の中国の大気汚染(NO2)の状況を示しています。左側は工場が操業停止などに追い込まれる前(1/1~1/20)の状況で、右側は感染拡大により経済活動への影響が広がった後(2/10~2/25)の状況だそうです。中国での工場生産がいかに環境を悪くし、それが近隣諸国の大気にも大きな悪影響を及ぼしているかが分かります。

 これではいかに国連がSDGsを先導し、世界の若者が温暖化防止を叫んでも、持続可能な地球を取り戻すことは難しく、温暖化も1.5℃未満に抑え込むことは難しいといえます。

 今回のウィルス禍は、図らずもグローバル化の弊害をクローズアップしたように感じます。そしていまの経済の仕組みが「地産地消」というか、もっと小さな物の流れとなり、それにより環境にも優しいものになることを切に願っています。



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