生産年齢人口
総務省の発表によると昨年10月時点の日本の総人口は、定住外国人を含めて1億2,730万人で、その内65歳以上の高齢者が初めて25%を超えたと云います。一方で生産年齢(15~64歳)の人口は8,000万人を割り込んで62.1%となり、しかも15歳未満の子供は33年連続の減少で12.8%となり、高齢者の約半数と云います。
この人口構成、特に生産年齢人口の減少は極めて深刻な問題で、全国的に飲食店では人手不足による休業が相次ぎ、製造業の現場でも折角の注文に生産が追い付かなかったり、建設業界では東日本大震災被災地の復興事業や大型ビル・店舗の建築にも影響が出ていて、東京オリンピックにも影響の及ぶことが心配されています。一見、高度成長期のころの人手不足に似た状況ですが、成長ラッシュに沸いた時代とは全く違う環境下での人手不足だけに、その影響が心配されます。しかも高齢者が増えると云うことは介護問題が発生することでもあり、それがまた生産世代の足を引っ張っているようです。新聞報道によると働きながら家族の介護をしている人はいま291万人もいて、しかも介護のため離職する人が年に10万人に達し、このままいくと10年後には30万人を超える可能性さえあると云います。人手不足と云い介護問題と云い、人口構成の変化が経済活動に重大な影響を及ぼしつつあるのです。
一方、生産世代の減少は社会保障制度(年金・医療・介護)にも深刻な影響を及ぼしつつあります。そのためこの4月には消費税が8%に引き上げられました。しかも高齢者は医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げられ(70~74歳)、年金の支給額も減らされました。一方で現役世代も保険料の負担増を強いられました。しかしこれでも社会保障制度の維持には全くの「焼け石に水」で、来年の10月には消費税をさらに10%に引き上げることが検討されています。しかしそれでも制度維持にはさらなる負担増が必要だと云われています。それほど日本の人口問題は深刻であり、待ったなしの状況にあるわけです。
高齢者を支える生産世代 |
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