2014年2月15日土曜日

スキー

 先週、2年ぶりにスキーに行ってきました。「エコの環」の野菜作りをしている人の中にスキーの好きな方がおり、「スキーに行くときは誘ってください」と以前声をかけておいたところ、誘いの声がかかり、車で1時間半ほど走ったところにある神鍋高原の「万場スキー場」まで行ってきました。私の住む地域は、神鍋以外にも鉢伏とか氷ノ山など大きなスキー場に恵まれ、冬になると身体がムズムズして血が騒ぐため、ずっとスキーを楽しんできました。さすがに60を過ぎてからは回数は減りましたが、それでもいまも年に1~2回はどこかのスキー場に出かけ、万場は3~4年ぶりでした。しかし平日(金曜日)とはいえゲレンデはガラガラで、正直びっくりしました。万場というのは神鍋の中でも非常に人気の高いゲレンデで、それこそ我々が若かりし頃(1960年代)は、朝6時前の汽車に乗り、豊岡で乗り換えて江原駅まで行き、そこでバスに乗り換えて40~50分揺られた後、そこからまたスキーを担いで30~40分かけて行ったものです。だから滑り始めるのは大体10時を回っていました。しかし当時は冬季オリンピック三冠王のトニーザイラーが主演した、「白銀は招くよ」という映画がそのテーマ曲とともに日本で大ヒットし、高度成長期とも重なって日本は超スキーブームにあり、それこそスキー場はどこもイモの子を洗う賑わいで、だから道中の苦労やリフトの長蛇の列など全く気にならず、毎日曜日、休日のほかに年休も取って、せっせとスキーに出かけたものです。1970年代になるとどこのスキー場にも駐車場が完備され、今度は駐車場探しや大渋滞に悩まされながら、万場へもよく出かけました。そして1980年代は今度は子供たちを連れ、泊りがけで出かけるようになりましたが、どこもゲレンデは拡張の一方で、リフトも2人乗りから4人掛けのものまで登場し、ゲレンデの賑わいは一向に衰えることはありませんでした。1990年代になるとさすがに仕事で足が遠のくようになりましたが、それでもたまに出かけると、いつの間にかスノーボードがゲレンデで幅を利かせるようになっており、スキーが段々とゲレンデの片隅に追いやられ、スキー人口の減少を感じてはいましたが、それにしても今回の万場の状況は、昔の大混雑を知っているだけにいささかショックでした。

今回のショックは、途中にある「名色スキー場」が営業停止にあることを知ったのがまず始まりでした。名色スキー場もかなり大きな人気スポットの一つで、子供たちを連れて何度も行ったことがあったからです。ふもとのヒッソリ閑とした雪景色は信じられない光景でした。次に驚いたのは万場の駐車場です。平日は無料なのだそうですが(これも信じられないことです)、ガラガラで20~30台しか止まっていないのです。リフト券も半日券を買う予定だったのですが、金曜日は「シニアDay」ということで、私たち高齢者は1日券をわずか2,200円で買うことができました。そしてゲレンデに出ると人影がまったく無く、たまに2~3人が滑っているのを見かける程度なのです。確かにここ数年、他のスキー場でもゲレンデがかなり空いているのを見てはいましたが、まさか万場がここまで閑散としているとは想像もしていませんでした。リフトも止まっているのがあったり、かつては10人近くが働いていたと思うリフトにも、いまは3人しか張り付いていないのです。また、ゲレンデのアチコチにあった食堂も閉じられたところが多く、昼食時に入ってもやはりガラガラで、見かけるのは高齢者ばかりで若者がいないのです。特に驚いたのは一番下のゲレンデ直下にあった宿泊設備を持った食堂で、当時は目の前のゲレンデにナイター設備があり、そこに泊まることは一種のステータス気分が味わえ、何度か泊まったことがあるのですが、そこが閉鎖になっていたのです。
 スキーの方は人影がないことをいいことに2~3本立て続けに滑り降りたところ、太ももがパンパンに張ってしまいコントロールが利かなくなり、体力には結構自信のある私も今回はへとへとに疲れてしまいました。一緒に行った人の気遣いから、結局昼食をはさんで3時間ほどで切り上げましたが、スキーでこんなに疲れたのは始めてであり、帰りに途中の温泉に寄り、ゆっくり疲れを癒して帰ってきました。費用的には温泉代も含め、スキー道具を借りた私が6,500円、連れの人は3,500円と昔に比べると半額以下で、「また行きましょう」ということになりました。
 今回の旅行でつくづく感じたのは、スキー場の有様がまさに今の日本の姿そのものになっているということでした。昔の賑わいがすっかり消えてシャッター通りが増え、高齢者だけが無料駐車、シニア券の恩恵を受けて平日にゆうゆうとスキー、温泉を楽しみ、そこには若者の姿が全く見当たらないのです。確かに私たち高齢者にとって有難いことではあるのですが、これを支えてくれている若者に何か申し訳ない気持ちが拭いきれず、やはりガラガラの温泉に2人で浸かりながら、私たち高齢者で回す「エコの環」でお返ししようと話し合ってきました。

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