ノーベル賞
山中教授がノーベル賞を受賞されました。日本国民としてとても誇らしく、嬉しいニュースでした。しかし当の山中教授は「ノーベル賞は過去形であり、これからの研究を大切にしたい」と、早くも今後の研究に意欲を燃やしておられるとか。まだ50才という若さからして当然とも云えますが、再生医療の競争は熾烈で、アメリカはiPS再生医療ですでに日本をかなりリードしているとも云われ、教授もオチオチしておられないのでしょう。iPS細胞は不治の病に苦しむ人たちにとっては大きな朗報であり、日本の産業が疲弊するなか、新たな経済成長分野として大きな期待もかかります。しかし一方でそれは遺伝子組み換え食物と同様、「神の領域」に足を踏み入れる技術でもあり、熾烈な競争が取り返しのつかない方向に進んでいかないか、心配もされます。自然界を眺め感心させられるのは、すべてが循環して元の状態に戻り、ゴミが発生しないことです。そして太陽以外のエネルギーを必要としないことです。残念ながら人間が作る人工物は生産時に太陽以外のエネルギーを大量に使用し、しかもそのままでは元の原料に循環されず、古くなればゴミになります。自然にならって循環させようとリサイクルしても、それに多くのエネルギーを必要とするばかりか元の状態には戻せず、劣化物に戻すのが精一杯です。人間が自然界から学びなすべきことは、自然の力、恵みをできるだけ天然自然のまま利用することで、自然界に存在しない形にまで変形加工して利用すること(不自然/非自然)は、恐れ多いことであることを知るべきでしょう。
惣菜店がコロッケを作って販売しようとする場合、自然にあるものを使ってまともに作れば、どう頑張っても1個130円になるそうです。しかしこれが食品添加物のプロにかかると1個20円で作れるそうです。粗悪な材料に結着材、乳化剤、肉エキス、うま味調味料など、自然界にない20種類以上の添加物を使えば、子供の喜ぶコロッケが作れると云います。人間の技術はここまで来ているのです。しかしこんなものを食べ続けたら一体どうなるのでしょうか。昔は四百四病と云われた病気が、いまは数万種もの原因不明の難病、奇病があると云われ、それは単に医療診断の進歩だけでは説明できないように思われます。流産率、死産率、催奇形率も著しく増大していると云います。こうした問題(根本原因はハッキリしませんが)を放置したまま、医療技術だけ進歩しても本末転倒のような気がします。いずれにしても食べ物が我々の身体の血となり肉となることだけはハッキリしており、食べ物は我々が生きていくうえで一番根源的、厳粛なものであるハズです。単に「うまければよい」、「安ければよい」といった次元のものではなく、もっと真面目に考えるべき問題です。「エコの環」を通して食の問題を真剣に考えていきたいと思っています。
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