2018年12月30日日曜日

無農薬野菜

 年賀状をやっと書き終え、投函し、ホッとしているところです。

 いつものようにもらった賀状を一つ一つ見返しながら、宛名書き、添え書きをしましたが、身体を患っているとの添え書きが非常に多いことに気付き、改めて驚いています。後期高齢者の私宛のものであれば、当然といえば当然かもしれません。

 幸い、私自身はいまのところ医者とは無縁であり、薬もまったく飲んでおらず、その点は非常に有り難く思っています。ただし健康には非常に気を使っているつもりです。特に食べ物に気を使っています。とはいっても特に栄養価のあるものを買い求めるわけでもなく、単に旬の野菜をたっぷりと、それに少量の魚、肉、そして添加物を極力避けた食品を、よーく噛んで食べているだけですが。

 野菜は売れ残った「エコの環」野菜を買って食べることが多く、売れ残りが多いと毎食同じ野菜を食べたり(今夏はピーマン、ミニトマトをよく食べました)、食べるころには鮮度が落ちてしまっていることもありますが、やはり「無農薬」というのが安心で、有難く思って食べています。

 ところでこの「無農薬」ですが、これで野菜を育てようとすると土つくりに2~3年かかり、かなり忍耐と困難がいります。しかしそうやって苦労して野菜を育てても、「無農薬」の有難みを知る少数の人たちに喜んでもらえるだけで、一般的には全く評価されません。「食品添加物」と同様に無関心な人が多いのです。逆に都会には「無農薬」に関心のある人が多いと聞きますが、それに対応するには私たちの栽培規模はあまりにも小さく、供給も不安定なのでなかなかインターネット販売もできません。私たちはいま年々厳しさを増す異常気象の中で、わざわざ無農薬という厳しい条件を課して野菜を作り、それをスーパーのハウス栽培の野菜と同じ価格か、むしろ安い価格で販売するという理不尽さに悩んでいます。
 「エコの環」野菜の栽培者からは、「別の畑でちょっと農薬を使ったら白菜が上手にできた」とか、「発芽したところで根切り虫に全部やられた」とか、「収穫しようとしたところで虫にやられた」といった悲鳴に近い声も盛んに聞かれるようになり、無化学肥料・無農薬・無畜糞・露地栽培にこだわった「エコの環」野菜の栽培に、いま危機感を覚えています。


春菊
さて右側の写真は「エコの環」の春菊(左側)とスーパーで売られていた春菊(右側)を比較したものです。左下の写真は同様にほうれん草を比較したものです。まるで大人と子供ほどに大きさが違います。また写真では分かりづらいですが、色が「エコの環」の野菜は淡い緑色で、スーパーのは濃い緑色をしています。

ほうれん草
これらは明らかに窒素肥料量の違いです。窒素が多いと葉っぱは大きく育ち、色は濃くなるのです。しかしこうした野菜は硝酸塩濃度も高く、体内に入るとニトロソアミンという発ガン性物質を作りやすいこと
が知られています。そこでEUでは硝酸塩濃度に統一基準値が設けられ、基準値を超えると汚染野菜とみなされるそうです。残念ながら日本にはそうした規制はなく、EU基準値の数倍濃度の野菜が出回っているそうです。
 「エコの環」野菜は図体は小さくても栄養価が高いことは実証済みであり、せっかくこうしたいい野菜を苦労して作ってもなかなか評価されないことに、歯がゆい思いをしています。


よい年をお迎えください。



 

2018年12月4日火曜日

ポカミス

 野菜販売の集計で大きなポカミスをやってしまいました。

 野菜の取引においては毎週、エクセルで表を作り、まず野菜を集荷したら栽培者ごとに野菜の名前と個数、そして販売価格をインプットします。次に野菜を販売したら誰のどの野菜をだれに何個売ったかを同じ表にインプットし、その都度、野菜の販売額、残数、分配金額などが分かるように計算します。そして週が終わったところでその表をその月のファイルに順次コピーし、1ヶ月経ったところで栽培者には売れた野菜の内訳と分配金額、合計額を、野菜購入者には買ってもらった野菜の内訳とその金額、合計額を集計、印刷し、それぞれ領収書、請求書として渡しています。

請求書の一例

 こうした操作を毎週末にルーチンとして行っているのですが、先月の最後の週に限ってうっかりコピーが終わっているものと勘違いし、表の内容を消してしまったのです。たまたま他の目的で、その週に限って分配金を計算していたので問題はなかったのですが、取り返しのつかないミスで、最後の週に売買した野菜の内訳は結局、プリントできないハメになってしまいました。

 家内を亡くして一年が過ぎ、日常生活もかつてのパニック状態を脱し、かなり落ち着いてきました。おかげで洗濯をした時の干し忘れ、取り込み忘れ、なべの空焚き、ガス・電気の消し忘れ、戸締りの忘れ、仕事面での失念といったことはほとんどなくなりましたが、ただ毎日の忙しさが無くなったわけではなく、ポカをしないよう十分に注意を払っていた矢先のミスで、やはりショックでした。

 そういえば私は以前は体重60kgをコンスタントに保っていました。それが家内の不幸で一気に6kgもダウンしてしまいました。そこで毎日必死に食べ、体重を増やす努力をしてきたのですが、一年かけてやっと3kg回復しただけです。一見、生活に落ち着きを取り戻したように見えても、実際はまだかなりストレスを抱えた状態にあると言え、これからも健康には十分に注意を払い、ストレスの解消に努めていきたいと考えています。


 

2018年11月14日水曜日

ホームページの開設

 「ブルーシー阿蘇」のホームページを11月6日に開設しました。


 かねてより自前のホームページが「あったらいいな」と思っていましたが、ホームページの作成にはHTMLという特殊な言語を使うため、そうした言語を習得しない限り、専門家にお願いして作ってもらうより仕方なく、だから作成には高額な費用が掛かる上に、修正や改善もままならず、弱小なNPO法人にはホームページを持つことは難しいと思っていました。

 そんなときある人から、ワープロ感覚で簡単に作れる無料ソフトのあることを教えて頂き、早速、自ら作ってみようと考えていました。ところがその後何かと取り込み事が続き、なかなか手を付けることができず、そうこうする内に時間だけが過ぎ去っていきました。

 しかしある事業計画について役員会で話し合いを持ったとき、ホームページのことが話題になりました。そしてある理事から「パソコンに詳しい友人がおり、無料ソフトによる作成を頼んでみようか」との話が持ち上がり、それならそうするかと早速、たたき台を作ってもらうことにしました。そしてそれに私が手を加えることで、やっと自前のホームページを作ることができました。これからはこれを窓口に情報を発信していきたいと考えています。

ブルーシー阿蘇のホームページ

 とはいえ内容的なつめはこれからで、仲間の意見をいろいろ聞きながら随時手を加え、よりよいものにしていきたいと考えています。そういったことが簡単にできるのがこの無料ソフトのよいところだからです。

 URLは https://blueseaaso.web.fc2.com/  です。

2018年10月27日土曜日

すゞ菜のイベント

 NHKの番組である山頂の天文台を紹介していました。

 夕食の準備をしながら見ていたので断片的な理解ですが、そこの台長さんは若い頃に引きこもりを経験し、そうした挫折を経て小さい頃からの夢だった天文学者になり、いまは遠い宇宙に知的生命体を探す研究の第一人者になったとか。その一方で夜は天文台を一般市民に開放し、「満天の星は点に過ぎないが、その一つ一つは形、大きさ、環境がすべて異なり、それぞれが個性を持って輝いている」と望遠鏡を通して訴え、天文台には年間数万人もの人が訪れるそうです。そうした活動は子供たちには夢を与え、また、職場で居場所を無くした人は何時間も星を眺めることで心を癒し、うつに悩まされた老婦人は夫と星を見に来ることですっかり元気になり、「魔法の宝」だと話していました。

 私自身は星にあまり興味はありませんが、人はなぜこれほど星に魅力を感じるのでしょう? 

 地球も惑星と呼ばれる星の一つで、もともとは岩石の塊に過ぎませんでした。たまたま太陽からの距離が適切で温度的に好環境にあったのと、水があったおかげで唯一生命が生まれる星になったと言われます。つまり生物が生きるには①水、②太陽エネルギー、③岩石からの栄養(ミネラル)が必要であるといえます。旧約聖書にも神はアダムを土で作ったとありますが、私たちの命は地球の岩石とは切っても切れない関係にあり、そんなところに多くの人が星に引かれる原因があるのかも知れません。また、私たちの「エコの環」野菜がミネラル豊富なことは何度も紹介してきましたが、そんなところにおいしく感じる原因があるのかもしれません。
すゞ菜の前での野菜販売


 すゞ菜が「秋の実り集会」というイベントを行われ(10/13,14)そのときに「エコの環」野菜を売って欲しいと頼まれ、朝の11時半頃から昼の14時半頃まで、店の前で野菜の販売を行いました。しかしお客は12時頃になってやっと大勢来られるようになり、しかも中に入ってから1時間ほどは出てこられず、その間ずっと外で待ち続けるのは、少し寒くもあったし、また、販売ということにまだ慣れず、少々気恥しくもあり、正直大変でした。しかしお蔭で野菜は2日間で6千円以上を売ることができ、有り難かったです。


2018年9月9日日曜日

「エコの環」野菜の販売

 私たちは高齢者事業として、生ごみ発酵肥料を使って無農薬の「エコの環」野菜を栽培していますが、よく「どこで売っているの?」と聞かれます。当然の質問ですが、答えるのに窮する質問でもあります。

 私たちも当初はある自然食品店、そしてある酒店、飲食店の店先で野菜を売っていました。自然食品店の方は少ないながらも着実に売れ、また、味などについていろいろな意見を聞くことができ、「エコの環」野菜に自信を持つきっかけになりました。しかし他の2店舗についてはなかなか売れず、売るためには品揃えも大切なことを学びました。半年近くそうしたことを行っていましたが、ある日突然、自然食品店が店を閉じられることになり、それを機に私たちも野菜の販売を週1回のお任せ宅配に切り替え、店頭販売を止めてしまいました。野菜の生産量がまだ少なく、自然食品店で知った数名のお客さんに届ければ事足りたからです。

 その後はアルバイトにより発酵肥料の生産量を増やし、同時に野菜生産者も増やして野菜販売額を年90万円ほどに増やしてきましたが、ここに来て販売額に足踏み状態が続くようになり、経済的自立が難しくなってきました。原因としてはいろいろあります。病気、その他の理由で野菜生産者が減り、その補充が上手くいっていないこと、ここ最近の異常気象により野菜が上手く育たないこと、シカ・イノシシ・ハクビシンなどの獣害が深刻なこと、一方で都会に比べ無農薬野菜の価値がなかなか認めてもらえず、新規購買者を見つけることが難しいことなどがあります。
 その他に私たちの週1回の出荷作業への慣れ、安住のようなものもあります。週に1回、その時に生産できたものを出荷・宅配するだけで、その時に余ったもの、他の時の収穫物については、販売するということを全く考えずにやっていました。というか品揃えが悪く、人手もないことから考え及ばなかったといえます。

 そんな時、すゞ菜の女将から「店に置いたら売ってあげるよ」と声がかかりました。一方、老人ホーム「なぎさ苑」には毎日厨房屑を回収に行っていますが、そんなことからこれまで何度か野菜を買ってくれるよう頼んでいました。しかしサイズや量的問題があってなかなか話が進展しないでいましたが、ある時「従業員の帰宅時間に合わせ、従業員用通路に野菜を置かれたらどうですか」と苑の方から話がありました。どちらも野菜の持ち込みと回収さえすればよく、また品揃えをあまり考える必要もないことから、すゞ菜には5月ころから、なぎさ苑には7月ごろから週に2回野菜を置かせてもらうようにしました。お蔭で月に1~2万円の販売額増が見込めるようになり、とても助かっています。

 これを足掛かりに、今後もっと直売所を増やしていきたいと考えています。

従業員への販売
なぎさ苑まつりでの販売







2018年8月19日日曜日

無農薬野菜

 前回、猛暑による野菜の出来が非常に悪いことに触れました。

 例年、オクラなどは私たちの身の高さくらいまで成長しますが、今年は腰の高さにも成長せず、本当に異常としか言いようがありません。

大きく成長しないオクラ

 それに加えて深刻なのが獣害です。私たちの畑ではサツマイモがきれいにやられ、鶏頭などお盆用の花まで食べられてしまいました。聞いてみると周りの畑でも被害が結構出ているようです。しかもこれまでの被害は京都丹後鉄道(KTR)の山側がほとんどであったのが、いまは線路を超えて海側にも広がっているようです。この猛暑はイノシシ、シカの食べ物にも深刻な影響を与えているからでしょうが、収穫目前できれいに横取りされるのは本当にショックです。

 ところで私たちは無農薬にこだわった野菜作りをしています。ただでさえ害虫被害に苦しめられているのに、この猛暑で葉物野菜はほとんど育たず、なす・キュウリなどもうまくできず、出来るものとしてはトマト、ピーマン、かぼちゃなど種類が限られ、本当に困っています。スーパーに出かけ、それなりにいろんな野菜が揃っているのを見ると、変な話ですがわざわざ難しい無農薬にこだわる意味が分からなくなってきます。まだまだ私たちの栽培技術が劣っているのでしょうか。

2018年7月22日日曜日

異常気象

 連日、猛暑が続いています。豪雨被害に遭われ避難生活を余儀なくされている人たち、それを救済しようと頑張っているボランティア、自衛隊、自治体の人たちのことを思うと、少しは我慢をと思うのですが、それができないほどの異常な暑さで、とにかく日中は外に出ず17時を過ぎてから出るようにしています。

 さてこの暑さ、「エコの環」野菜の成長にも大きな影響を与えているようです。ここ最近、野菜の出荷量が少なく栽培者に理由を尋ねると、ある人は「水不足が原因か成長が非常に悪い。葉物野菜は育たない」と言います。「かといって水をやると、与え続けないとかえって弱ってしまう」のだそうです。またある人は「種から芽を出してもそこからの成長が悪く、苗を植えても根付かない」と言います。またある人はこの猛暑の前の豪雨で畑が冠水し、ほとんどがダメになったと言います。

家内と一緒に野菜作りをしていた人が、「こんな出来だった」とトウモロコシとオクラを見せにきてくれました。昨年は結構うまくできていたトウモロコシが全然大きく成長せず、成長しても実の付き方が非常に悪いのです。焼いて食べてみると結構甘くておいしいのですが、如何せん商品にはならないのです。一方、オクラですが、昨年までは「めっちゃおいしい」と好評だったものです。それが皮が非常に堅く、やはり商品にはなりそうにありません。



 この連日の酷暑、人間にとっても危険であると医師会から警告がでるほどの暑さですが、野菜にとっても成長に異変を起こすほどの暑さなのかもしれません。非常な危機感を覚えます。

2018年7月20日金曜日

配食サービス断念について

 前回、配食サービスを始めたいと紹介しました。

 私たちが進める「エコの環」活動は超高齢社会が進むなか、高齢者が高齢者にとって最もふさわしい畑仕事で元気に働き、少しでも社会に貢献することで次世代への負担を軽減したい、というのが目的ですから、配食サービスはまさにその目的に合致すると考えたからです。

 しかし何事も始めるためにはパワーが必要です。技術的にこれを「活性化エネルギー」と言いますが、大きな岩を坂から転がり落とすにも最初に大きな力が必要です。一言でいえばこのパワーが無かったといえます。

 ”すゞ菜”の女将小西さんより折角いいアイディアを頂き、老々介護のいい仕組みができると考えたのですが、それを始めるには私たちは年を取り過ぎたといえるかもしれません。

 以上の理由から配食サービスは断念することにしました。残念です。

2018年7月7日土曜日

配食サービス

 家内を亡くしてから家事がいかに大変な作業かを痛感しています。

 食事・洗濯・掃除、どれも手抜きは出来ても止めるわけにいきません。それに風呂の掃除や家の周りの草取り、布団の乾燥や着るものの季節的な入れ替えなども、手を抜こうにも抜くことができません。草取り以外、こういったことには一切関わってこなかっただけに、なかなかリズムがつかめず、NPOの仕事をしながらそういった家事をこなそうとすると精神的余裕が全くなくなり、毎日毎日がパニックに近い状態で過ごしています。

 子供たちは毎日三度、食事を作っているだけでも大したものだと言ってくれますが、家内が私や家族のために何十年と食事を作ってくれていたことを思うと、簡単に出来合いの食品、あるいは外食に頼ることができないだけで、いつまで続けられるかは分かりません。仕事が立て込んだり、あることに集中しているときは、正直、食事が簡単に済ませられたらとつくづく思うからです。


 こうした個人的事情とは全く関係ないのですが、ブルーシー阿蘇として弁当(夕食)の宅配を8月から始めることにしています。

 私たちは生ごみをゼオライトを使って発酵処理し、無農薬・無化学肥料・無畜糞の「エコの環」野菜を作っています。「エコの環」野菜は栄養価が高く味もおいしいと好評ですが、どうしても野菜の販売においてかなりの量が売れ残ってしまいます。また、非常に甘くておいしいのに、見栄えが悪いというだけで商品にならないものができたりします。

 こうした折角のいい野菜を何か生かせないものかと常々考えていましたが、”すゞ菜”の女将小西さんより、「弁当の食材に使って宅配サービスを始めては?」と持ち掛けられ、それはいい考えと仲間に相談し、始めることを決意しました。味が定評の”すゞ菜”の女将が「エコの環」野菜を使って作る弁当なら、味も栄養も確実で、皆さんに喜んでいただけると考えるからです。

 いまは夕食のみを考えていますが、おかずのみは500円、ご飯つきの場合は600円で、月曜日から土曜日まで毎日、夕方の5~6時ごろに声をかけ、お顔を見ながら配達したいと考えています。配達を希望される方はどうぞ
       ☎46-4943(松森)か
       ☎46-3632(すゞ菜)
までお電話ください。
 
     *****************

 弁当を作るお手伝いさんを募集しています。
 夕方の1~2時間です。とくに将来、飲食関係の仕事を目指している人は大歓迎です。
 上記電話までご一報ください。
 



2018年6月5日火曜日

役割分担

 
 長らくブログから離れていました。

 例年、今の時期(4~6月)は総会の準備、開催の他に、いろんな報告書、申請書、届出書などの提出、財務関係他の公告などが目白押しとなり、ただでさえ忙しいのに今年は家内が亡くなり、このほかに野菜の販売、お金の管理、家事などが圧し掛かってきたため、毎日毎日が本当にドタバタと忙しく、他のことには一切手が回らない状態が続いていたからです。


 家内が居たときは私が何かを放置しておいても、知らぬ間に片づけられていました(後で文句は言われましたが)。しかしいまは放置したものは、私が片付けない限りそのまま放置されています。有機的であったものが、一気に無機的になった感じで、そんなところに言うに言われぬ寂しさを感じますが、しかしそんな感傷に浸る間もなく、忙しい忙しいに追いまくられ、洗濯をすれば干すのを忘れ、干せば取り込むのを忘れるといった状態が続いています。そして1人での作業はとにかく効率が悪いことを実感しています。家内との協働作業であれば1+1=2どころか3も4もできた仕事が、いまは1+0=1どころか0.5もできない有様で、とにかく仕事が進まないのです。仲間との仕事の分担を考えなければいけないのですが、いまはそれを考える間もなく、はやくいまの期末作業が終わるのを願うばかりです。


 ところで家内が生前にある人と一緒に野菜を栽培していた畑は、昨年は獣害により3ヶ所とも全滅に近い被害を受けました。そこで3月までは私が手伝って一緒に修復作業を行ってきたのですが、一ヶ所の畑は対策が難しく手つかず状態のままで、いまは忙しくてどうにもならない状態になっていました。忙しそうにしている私を見て埒が明かないと思われたのか、他の仲間に相談され、彼と他の畑から鉄筋の防御壁を運んできて、私の知らない間に立派な防御壁を作ってしまわれました。何の手伝いもできず申し訳なかったのですが、感心するほどの出来栄えで、獣害が収まってくれることを願うと同時に、改めて役割分担の必要性を思い知らされました。

2018年4月17日火曜日

2017年度のまとめ

 2017年度は「エコの環」の自立はまだ無理としても、王手が望めるくらいのところにまで達したいとスタートしました。

 4月、5月は野菜販売額が前年度を大きく上回わり、幸先の良いスタートが切れました。しかし夏場の6月、7月、8月になると、野菜の集荷が非常に悪くなってきました。前年は野菜の袋詰めにうんざりするくらい集荷量があったのに、全然そこまでの量が集まらないのです。どうしたのだろうと思っていると、新聞やテレビで野菜の高騰が盛んに報じられるようになり、肝心の季節に雨が多く、全国的に野菜の出来が非常に悪くなっていることを知りました。それとシカ、イノシシ、モグラ、カラスなどの獣害もすさまじく、私が係わった3つの畑はほとんどが全滅状態でした。

「エコの環」野菜の販売実績

 しかしそのままでは自立は夢のまた夢になってしまうので、9月に野菜生産者の会議を開き、出荷量増加への協力と野菜の袋詰めをお願いしました。自立のためにはアルバイト費の削減も大きな課題で、袋詰めはアルバイト作業の大きな負担になっていたからです。お蔭でそれ以降は野菜の袋詰め作業はほとんど皆無となり、集荷量も少し持ち直し傾向になりました。しかし秋が過ぎると、今度は寒波の影響でまた全国的に野菜の高騰が続くようになり、私たちの集荷量もほとんどゼロに近い状態が再々起き、終わってみれば野菜の販売額は前年度を下回ってしまいました。まさに自然の力に負けた一年で、自立の難しさを痛感しました。


 「エコの環」野菜の普及活動として前年度に続き、”昭和40年頃の味探訪シリーズ”の料理教室(ちーたび)を3回実施しました。

 内容としては「野菜たっぷりの”季節の幸”汁を作ってみよう」(7/23)、「食用油について考えよう」(11/19)、「食品添加物について考えよう」(3/18)など、テーマとしてかなり重いものも取り上げましたが、私たちに分かる範囲の等身大の内容を心掛け、リピーターも増え、ほぼ毎回定員の参加者を得て実施することができました。
調理実習風景

 料理教室では、昭和40年頃というのはまだ外国からの輸入農産物も加工食品もほとんどなかった時代で、だからいまでも手間を惜しまず、近くで取れる生鮮食料を使って自ら調理をすれば、それだけでも食品添加物とか農薬といったものが、かなり抑え込めることを学びました。


 一方、へどろヒートポンプの方は、「太陽熱回収用へどろヒートポンプの開発」として夏原グラント(平和堂財団)の支援を受けることができ、実験用だけでなく多くの人に理解してもらえるデモ機を作ろうと、従来にくらべかなりコンパクトな装置を作り、実験に取り組みました。
実験装置

 しかしコンパクト化を目指すあまり、かえってそれによる予期せぬ障害が発生し、実験では思うような結果が得られず、所期の目的を達成することができませんでした。しかし実験を繰り返すなか問題の原因も分かってきており、また今年度も夏原グラントの支援が受けられることになり、再度デモ機の作製に挑戦したいと考えています。



 
 

2018年3月22日木曜日

ちーたび

 ちーたび(食品添加物について考えよう)を行いました(参加者8名、内男性2名)(3/18)。

 最初にゲストの青木伸代さん(丹後アレルギーを考える会代表)に食品添加物についてのお話をして頂きました。

 これまでバラバラであった加工食品の表示形式が下記のように一元化された(2015、移行期間5年)。

①名称、②保存方法、③消費期限/賞味期限、④原材料名、⑤添加物、⑥内容量又は固形量及び内容総量、⑦製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称(輸入品にあっては輸入業者の営業所所在地及び輸入業者の氏名又は名称)

また、一定の食品については下記のことが表示される。

・アレルゲン(表示義務;小麦・エビ・カニ・卵・落花生・乳・そば、表示推奨;サケ・サバ・大豆・クルミ・カシューナッツ・牛肉・豚肉・鶏肉・ゼラチン・あわび・いか・いくら・やまいも・まつたけ・オレンジ・キウイフルーツ・もも・りんご・バナナ・ごま)、・L-フェニルアラニン化合物を含む旨、・特定保健用食品に関する事項、・遺伝子組み換え食品に関する事項、・乳幼児規格適用食品である旨、・原料原産地名、・原産国名(輸入品の場合)

 次に食品添加物の種類、役割についての話があり、なかでも指定添加物(454品目)は安全性が審査されているとはいえ、化学的に合成されたもので身体にとっては異物であり、消化・分解されないので避けた方がよい。例えばハム、ソーセージ、明太子などの発色剤として使われる亜硝酸ナトリウムは、肉のタンパク質と反応して発ガン物質(ニトロソアミン)を作ることが知られている。
 
最後に青木さんは「今日の機会を「学ぶ」、「知る」だけに終わらせず、ぜひ「する」、「変える」の機会にしてほしい」と、印象的な言葉で締められました。


 お話の後は気分転換を兼ね、私たちの生ごみ処理機(宮津方式)と畑に案内しました。そして私たちのこだわり(無化学肥料・無農薬・無畜糞・露地栽培)についての理解を深めてもらいました。


 帰ってから、すゞ菜の女将小西美鈴さんの指導で「うどん料理」の調理実習を行いました。
 まず、「ダシをしっかり取って調理すれば、食品添加物は減らせる」という小西さんの持論に従い、ダシの取り方を学びました。そして山菜や煮物の残り(こんにゃく、ゴボウ)でてんぷらを揚げました。このとき卵を溶かすには箸は寝かせず立てた方が溶きやすいことを学びました。

 うどんにはかまぼこが2枚付きました。しかしそれには指定添加物の保存料(ソルビン酸)と着色料(赤3号、赤106号)が入っていることを知ってもらいました。


 食後は交流タイムに移り、「いま私たちはごく普通の食事をしても、年間に7.7kgもの食品添加物を摂取している」、「添加物にはナトリウムやリン酸塩が多く入っており、ナトリウムは食塩を取るのと同じことになり、リン酸塩は体内からカルシウムを取り去るので、ソファーから飛び降りた猫が骨折したという笑えない話がある」、「何にでも入っているアミノ酸/アミノ酸等は依存症になりやすく、特に小さい子供さんは注意が必要」などといった話を交えながら、自由に話し合ってもらいました。皆さんからは「添加物の恐ろしさを改めて知った」、「これまで表示の見方が分からずあまり見なかったが、もらった資料を参考に気を付けたい」、「バナナは手に持つ方に農薬が濃縮しており、3cmほど食べ残した方がよい」、「妊娠前の女性に知って欲しい」、「レモンは切り口を上にして搾るのがよいとされるが、農薬のことを考えると下にした方がよいのでは?」などいろんな意見が飛び交い、予定の時間があっという間に過ぎてしまいました。




 

2018年3月6日火曜日

ちーたび(食品添加物について考えよう)

 ある人から「おいしいよ」といってお茶を頂きました。飲んでみるとコクがあり、確かにおいしく感じましたが何か後味が残ります。おかしく思って袋を見ると、お茶に調味料(アミノ酸等)が入っていました。いまやほとんどの加工食品に添加されているアミノ酸、アミノ酸等ですが、お茶にまで添加するのかと愕然としました。

 こうした調味料は「うま味」を出すために加えられます。池田菊苗がコンブのうま旨味はグルタミン酸というアミノ酸であることを発見した当初は、調味料の販売を始めた味の素㈱もコンブを煮だして結晶化させ、それを販売していたようです。しかしそれでは商売にならないので、「グルタミン酸ナトリウム」を工業的に大量生産するようになりました。こうなると調味料は完全に「化学物質」になり、作ろうと思えば石油からでも髪の毛からでも安く作れるようになりました。

 しかし工業的に化学物質を生産する場合は何を原料にするか、どのような工程で生産するかが問題になります。どんなに純度の良い製品も原料、工程からの不純物の副産・混入は避けられず、その毒性などをよく調べる必要があるのですが、不純物が少ないほどそうしたことへの配慮が薄れてしまうからです。不純物の怖さはアメリカがベトナム戦で撒いた枯葉剤に、不純物としてダイオキシンが含まれていたことがよく知られています。

 また、純度の良いものほど麻薬性を有し、依存症を引き起こしやすいことも知っておくべきです。南米でお茶として飲まれるコカの葉も、精製するとコカインという麻薬になるのと同じです。生産者が食品にアミノ酸、アミノ酸等を添加するのは、勘ぐれば消費者を中毒にして、リピーターにしようとしているのかもしれません。

 アメリカでかつて化学調味料を多用する中華レストランで、特に女性や酒の弱い人たちに料理を食べた後、後頭部や手足のしびれ、目まい、吐き気を訴える事件が頻発し、化学調味料の安全性が疑問視されたことがあります(中華料理店症候群)。そして化学調味料には神経興奮毒性があり、脳や神経系に深く静かに影響を与え、3歳未満の幼児では脳に異常を起こす恐れのあることなどが明らかにされました。

 以上は食品添加物の中の調味料(アミノ酸、アミノ酸等)に限った話ですが、厚労省が定める食品添加物は804品目もあり(2014年現在)、それらがありとあらゆる加工食品に使用され、いまや日本人の大人が1年間に摂取する添加物の量は7.7kgにもなるといわれます。砂糖でも食塩でもメリケン粉でもよいですから、それらを食品添加物に見立てたときの量を想像してみて下さい。それらは食べ物ではなく、身体にとって異質の化学薬品なのです。


 さて、「昭和40年頃の味探訪シリーズ」の第6弾として、食品添加物についてのちーたびを下記のように予定しています。ふるってご参加ください。

  日     時;3月18日(日)、9:30~14:00
  集合場所;吉津地区公民館(宮津市須津1031)
  参  加  費;1,200円
  定   員;8名


2018年2月10日土曜日

生ごみ処理箱の改造

 
 私たちはゼオライトを使った生ごみの発酵処理に、「たいぞうくん」という処理箱(宮津方式)を使っています。

 生ごみの水分は90%ほどあり、微生物で発酵分解させると60~70℃に発熱すると同時に、大量の水を放出します。この水は暖かい時期は蒸気となって逃げやすく問題ありませんが、処理箱の周辺が冷え込む時期になると、凝結して処理箱から抜けづらくなります。すると発酵分解した処理物は2~5cmほどの丸い塊(かたまり)を作るようになり、篩(ふるい)で篩えなくなったり、箱の中がべとべとして処理できなくなります。生ごみの発酵処理で一番難しいところは、この水をいかにうまく箱の外へ逃がすかにあります。

 生ごみの発酵処理法にEM菌を使う方法があります。この方法ではまず生ごみをバケツの中で酸素を絶って嫌気発酵させ、この時ある程度の水を抜きます。その後で生ごみを別の容器に移し、今度は空気のある環境で好気発酵させます。水の放出問題を解決する一つの方法と言えますが、生ごみ処理が2段構で作業が煩雑になります。

 私たちの宮津方式は好気発酵だけで水を飛ばす方式ですから、作業は単純です。しかしこの水の放出問題は非常に厄介で、随分と苦しめられてきました。処理箱の中にべとついたところがあると、ムシも発生しやすいからです。

 水を飛ばす一番手っ取り早い方法は米ぬかをたくさん加えてやることです。米ぬかは水分が低く(10%ほど)、油分を含んでいるので、非常に良い燃料(発熱乾燥材)になるからです。その意味では天ぷら廃油も非常に良い燃料といえます。しかしこちらはうまく混ぜてやらないと、分解処理物の表面をべっとり濡らせて嫌気状態(酸素が届きにくい状態)を作り、逆効果になる可能性があります(特に処理物が塊状になり、表面積が小さくなっている場合)。

 米ぬかはサラサラで扱いやすく便利ですが、常に米ぬかを回収して用意しておく必要があります。そこで何か別にいい方法はないか、いろいろ思案する中で行うようになったのが、箱の上に薄い布を掛ける方法です。寒い時期、何もないと外気が箱の内部を冷やし、生ごみの処理温度が下がり蒸気は凝結し、分解反応が進まなくなります。しかし箱の上に布を掛けると蒸気が箱の中にこもるようになり、内部の温度は下がりづらくなって反応が進み、蒸気は布の織り目から逃げていきます。もちろん布の表面で凝結もしますが、内部が温かいと蒸気となって逃げていってくれます。

 この方法により冬場でも結構処理ができるようになったのですが、しかし箱の内部は濡れやすく、寒い時期はどうしても米ぬかに頼ったり、処理量を落としたりせざるを得ませんでした。

 そこでもっと何かいい方法はないかと考える中で、金属の反射板を張ったらどうだろうと考え、実験してみました。

 スーパーの日用品売り場に行くと、よくアルミ箔を張った断熱材を目にします。冬はこたつの下に敷いたり、夏はアイスクリームを入れる袋に利用したりするものです。ここでアルミ箔はこたつの熱、あるいは太陽の熱を反射して断熱材の保温効果や冷却効果を高めてくれるのです。だから金属反射板を張れば処理箱の中の保温効果は高められるはずです。

 早速、接着剤付のステンレス薄板(0.1mm厚)を購入し、箱の内面に張ってみました。まるでマジックにでも使うような鏡面張りの箱が出来上がりました。そこで従来の処理箱と処理温度の比較をしてみたところ、温度は常に20~30℃高く、その分乾きがよく、大きく成長した塊も少しづつ細かくなっていくことが分かってきました。

 ただステンレスの材料費は1万4千円ほどかかるので一気に改造は進められず、少しづつ実施していくことになると思います。